俺たちに明日はない [DVD]
実在した「ボニーとクライド」。銀行強盗を繰り返しながら刹那的に生きる二人。当時の若者が同感するアウトローをウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイのふたりが新鮮に演じています。途中で脱落する兄役のジーン・ハックマンも印象的です。そして、繰り返し述べられてきたラストシーン、スローモーションでの銃撃、後に「チャイナタウン」で見事なまでの死に様を見せるフェイ・ダナウェイは、ここでも凄い。観ないと損です。
君たちに明日はない (新潮文庫)
状況設定、トピック、キャラはおもしろいと思うが、どの話も中途半端に終わった感があり、もの足りなかった。設定が良いだけに勿体無いと感じた。
進んで読む価値はないと思う。暇つぶしに良い一冊。
借金取りの王子
君たちに明日はないの続編。相変わらずテンポがよくておもしろかった。リストラ請負という厳しい仕事だが、担当者にベストの選択をしてもらおうとあれこれ考える真介の姿勢に共感するところが多かった。特に表題作「借金取りの王子」が感動的だった。過去に非行の経験がある女性と結婚するために彼女に負けないよう一生懸命仕事をする彼と、彼のことが大好きなのに素直になれない彼女の行動が印象的だった。
俺たちに明日はない [Blu-ray]
知っている人にすれば何をいまさらという感じでしょうが、アメリカン・ニューシネマといえばもちろんこれは外せないわけで。フェイ・ダナウェイの愛らしさや当時若い女性がみんな真似したというファッション、若かりし頃のウォーレン・ビーティーの演技を堪能できるという点はもちろんなのですが、僕がずっと好きである理由のひとつは、今のハリウッド映画にありがちな過剰な演出やいかにも的な音響効果がほとんどないということです。だからこそ見入ってしまうし、だからこそこの二人に静かに感情移入できるのだと思っています。そしてだからこそ、あの有名なラスト・シーンが活きてくるのだと。一度見てみられるとわかりますが、今では当たり前な「はい、ここで泣いて!」な音楽や演出が、ある意味残酷?なくらいありません。それでいて心には全ての美しい映像が、彼ら二人の笑顔が、そしてラスト・シーンが脳裏に焼き付いて離れなくなってしまいます。今のハリウッドはこれこそをお手本にすればいいのにと思わされます。現代の、ある意味きちんと導いてくれるような映画に慣れた人がどう感じるか興味ありますが、若い人にこそぜひ見てもらいたい、永遠に残る、これぞ貴重な文化だとおもっています。そして最後に、祝!ブルーレイ化。