映画としては本当によくまとめられていてハラハラドキドキで面白かったです。でもこの手のテーマは正直なところ今もって解決の糸口さえ見えない状況がアフリカの各地で見られていることから、簡単に拍手を送る心境にはなかなかなれないですね。物見遊山的に来ていたヨーロッパからの記者なんかは危険が迫ると簡単に帰っちゃいます、まあ良心の呵責っぽい雰囲気はありましたが、結局は対岸の火事を見に来たっていうことには変わりない。ルワンダもブルンジもソマリアも国家として成り立っていないし、その他にももっと沢山の失敗国家があって、もうほとんどがアフリカ大陸に存在してます。オリンピックで大活躍の誇り高きエチオピアもかなり経済事情は破綻してるし、まともな国家はほとんど見当たらない。興味があるからアフリカの題材の映画はよく見ますけど正直見た後はどうすることも出来ない挫折感で一杯です。
ルワンダを見捨てた先進国を告発おすすめ度
★★★★★
アフリカに対する先進国の関心はゼロに等しい状況です。私たちは彼らに対して植民地時代よりもひどい仕打ちをしています。私たちは勝手に格付けを行って、黒人の住むアフリカ大陸を最低だと決めつけてしまったのです。自分たちに利益がない場所には、決して関与しないと。
上記の言葉は、この映画でニック・ノルティの演じる“オリバー大佐”こと、国連平和維持(PKO)部隊司令官としてルワンダに赴いていた元カナダ陸軍准将ロメオ・ダレール氏が『ロメオ・ダレール戦禍なき時代を築く (NHK未来への提言)』(NHK出版,07年)の中で語ったものである。ダレール氏は1993年、抗争が続いていたフツ族とツチ族の停戦監視に当たるため当地に着任するも、同年の秋には部族間対立が再燃し、翌94年、『ホテル・ルワンダ』が描く惨状を目の当たりにする。
ルワンダというアフリカの小国において「わずか100日間で約80万人もの人びとが虐殺された」(前掲書)惨劇…。映画は、外資系ホテルの現地支配人ポール・ルセサバギナ(ドン・チードルが好演)の実話に基づいた必死の活動を軸に展開され、当然の事ながら先進諸国の“非情さ”も描出している。事実、先進諸国の「ルワンダ紛争」に対する認識は、93年のソマリア「モガディシオの戦闘」(『ブラックホーク・ダウン』で映画化)の影響等もあって冷淡であった。
実際、前出のダレール氏はPKO部隊の増強を求めていたが、ある先進国視察団の代表は「ルワンダには何の戦略的な価値も資源もない。ただ人がいるだけ」であり、「白人兵士を一人送るためには、ルワンダ人8万5000人の死が必要だ」と言い放つのみであった。この冷酷な発言が冒頭のダレール氏の述懐となるのである。続けてダレール氏は語る―ルワンダは、誰にとっても行く価値のない場所といわれているのです―こうしてルワンダは、映画のように先進国と国連から見捨てられた…。
実際に繰り返されそうなストーリーおすすめ度
★★★★☆
けっこう長い作品ですが、最後まで一気に見てしまいました。
ドキュメンタリー性の強い映画ですが、あまり説明的にならずストーリーが楽しめます。
過去の事では済まされない おすすめ度
★★★★★
劇中にこんなセリフがある。「西側の人間がこの映像(大量虐殺)を見ても、怖いねと言うだけで、ディナーを続ける」
いつも満面の笑顔が似合うアフリカの人達の恐怖に震えたその表情が心に突き刺さった。元はと言えば、ベルギー軍がこの闘争の原因を作った。利益を最優先にした政策はルワンダから笑顔を奪い去った。そして、彼らは優雅にディナーを続けた。テレビを付けながら。もっとも、そんな人間ばかりではなかったが。
この映画をみたルワンダ大統領?は涙ながらに、実際はこんなものではなかったと訴えたそうです。
出来は非常に良いです。
おすすめ度 ★★★★★
非常に素晴らしい一品だと思います
!いや~、ほんと(・∀・)イイ!久々に良い買いモンをしました。
ホント満点を付けても良い出来です。
概要
1994年アフリカのルワンダでは、長年にわたるフツ族とツチ族の民族抗争がエスカレートし、ついにフツ族はツチ族の大虐殺を開始。そんな中、ルワンダの高級ホテル支配人を務めるフツ族のポール(ドン・チードル)は、妻タチアナ(ソフィー・オコネドー)がツチ族であることから家族だけでも護ろうとしていたが、彼を頼って集まってきた難民たちを見ているうちに、彼の心の中で何かが変わり、独り虐殺者たちと対峙することに…。
100日で100万人が虐殺されたルワンダ事件を背景に、1200人の命を救ったホテルマンの決死的行動を描いた実録社会派映画の傑作。単に世界を震撼させた事件を再現するだけでなく、そもそも諸悪の根源でもある欧米の差別意識や、国連の対応などにも厳しい批判を下した勇気ある姿勢には頭が下がる思いだが、同時に人はふとしたことで英雄的行動を取ることの出来る生き物でもあることまで力強く教えさせられる。『ボクサー』などの脚本家でもあるテリー・ジョージ監督以下、まだまだアメリカ映画界には反骨の映画人が多数存在するのだ。必見。(増當竜也)