3年経った今なお褪せぬ物語性おすすめ度
★★★★★
通常版未プレイ、岡崎女史を余り知らない者からのレビューと前置き。
その上で、稀に見る見事な物語であった。
切ないまでに幸せを求めながら、それ故に藻掻き苦しむ少年少女たち。
二人の間で揺れる誠実で残酷な恋心という、それ単体でも甘苦い恋物語を
成立させているのに、そこに加えて「嘘と本当と幸せ」という恋だけに
留まらない人生の物語を成立させているのは見事だ。
叙述トリックめいた構成や音韻を踏む会話など評価点は多いが、
トリックを見抜こうと物語に接するとむしろそのテーマ性を見失うだろう。
幸せの為の嘘、自己欺瞞と自己嫌悪。程度の差はあれ、誰しもが持つ
そんな経験があればあるほど、この物語は心に苦く切なく響く。
(少なくとも、思春期の子供では自己に照らした理解は不可能)
その苦さを受け付けられない人も確かにいるだろうし、必ずしも万人に
薦められる物語ではないのだが、一方で誰もに体験して欲しいと矛盾を
思わされてしまう、そんな物語だ。
また、音楽とイラストがそんな物語と実にバランスがいい。
前述のように岡崎女史を私はあまり知らないが、音楽があって物語ができたかの
ような一体感は見事。今時ありがちな取ってつけたような歌詞ではないため、
物語と等しく風化しないと思う。
また絵柄についても同様で、いわゆる今風のギャルゲ絵を追った画ではなく、
逆に数年後でも古びることがない。この三位一体で色褪せない造りは見事だ。
なお演奏ゲーム自体はそこそこ楽しめたが、正直本編中の演奏は後半全て
スキップで対応した(ただしそれで対応できるのは評価)。
また最終シナリオは若干蛇足の感があり、「本編」の余韻を感じている間は
避けた方が無難だ。また良質の会話は、逆に4行ギャルゲ表示形式では
一部理解しづらい部分もあった。
最後に、現在愛蔵・通常版がほぼ同価格のためこちらを選択した事も付記。
正直、通常版があればこちらは不要だろう。本質は、その物語なのだから。
プレイヤーを選ぶおすすめ度
★★★★☆
岡崎律子様ファンなら、持っておくべきでしょう。
独特の世界観、先の見えないストーリー、ひねくれ者は「稚拙」とか「退屈」と避難しますが、そうでなければ楽しめるストーリー。
ただ、しろさんのイラストや背景は、好きな人でなければとてもうまいとは断定できない。イラストにこだわる人はプレイしづらい。
また、全体的に陰鬱な展開なので、そういったものが苦手な人や、ヒロインの一人、ファルエンドはある程度の読解力を要するので、それをめんどくさいと感じる人にはおすすめしない。
雨。おすすめ度
★★★★★
神的欝モノギャルベンチャー。
文字や言葉で現したくないような恋愛心理描写を読まされるのでとにかく痛い。
選択肢が少ないのも痛い。
ある程度進むと見えてくる[嘘]に苦笑。
声を出して驚く。
それが快感。
ラストのフォーニ編は納得いかない人のほうが多いと思う。
リセ編だけは読み飛ばしても差し支え無し。
音楽的な側面でも確かなことを言っている。
読むのに疲れたらフリープレイでミュージックアクションパートに没頭するのもよい。
この音ゲーパートがなかなか本格派で、後ノリ&ウタゴコロのある演奏が要求される。
初購入なら☆4つ、通常版所有なら☆2つおすすめ度
★★★★☆
特典のサントラに関しては好みが別れるところと思います。岡崎律子さんの音楽が好きで、このゲームを購入した私としては、アレンジサントラもむしろ楽しめました。
ゲームのサントラとしてというよりも、岡崎律子音楽のアレンジとしての興味が先行していたという事情もあり、アレンジされた5曲に斬新な印象さえ受けました。
ゲームのサウンドトラックとして評価した場合には、ゲーム本編に使われているバージョンの曲ではないため、論外だと思われます。この点、注意が必要です…。(普通のサントラみたいなのも作っていただけると一番良かったかと思われる)
細部まで妥協なし
おすすめ度 ★★★★★
はっきりいって、すさまじい出来です
。これは買わねばならないでしょう!
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!