スタンリー・キューブリック リミテッド・エディション・コレクション(初回限定生産) [Blu-ray]
「ロリータ」と「バリー・リンドン」がようやくBlu-ray化されるのは嬉しい。
どちらも映像特典が予告編のみなのは寂しいけど。
特典DISCはこれまでのBOXと同じで「STANLEY KUBRICK:A LIFE IN PICTURES」。
ただし今回はDVDではなくBlu-ray Discの様だ。この特典DISCは
「時計じかけのオレンジ 製作40周年記念エディション」に付属するのと同じ物。
本編DISCに新規映像特典が追加された代わりに「O Lucky Malcolm!」が
特典DISCの方に移動している。40ページのブックレットもそのまま封入されるので
こちらを買えば「製作40周年記念エディション」を一緒に買う必要はない。
「2001年宇宙の旅」「シャイニング」「フルメタル・ジャケット」
「アイズ ワイド シャット」は内容に変更はないとの事で、つまり「シャイニング」は
119分のコンチネンタル・バージョンのまま。2度目のDVDから日本やヨーロッパ圏では
ずっとその状態なので、今後もそれは変わらないのだろう。
現時点で「ロリータ」と「バリー・リンドン」は単品化の予定はない、とされているけど
恐らく後に単品化されるので「スタンリー・キューブリック コレクション」を
購入済みの人はそれを待つのも良いかもしれない。リニューアルされた「時計じかけのオレンジ」が
ほしいなら「製作40周年記念エディション」のみ買い足せば済むし。
「スタンリー・キューブリック コレクション」を買っていない、BOX専用ブックレットに興味がある、
「BOXにひとまとめになっている」事に魅力を感じる、ならば買いだろう。
バリー リンドン [DVD]
アイルランドの一青年だったバリーがいかにして18世紀の時代に貴族社会に入っていったのか。
バリーが、地位に登りつめ、そして、転落していく様子を、淡々と描いている。
テーマ曲が、様々な折に流れ、バリーの流転する人生を物語るようだった。
そして、この物語をいっそう重厚な物にしているのが、ナレーションである。
このナレーションが、客観的に物語を見させてくれる。
まるで1冊の本を読み終えた時の、満腹感を与えてくれる作品でした。
作品の紹介に、自然光を再現する特殊な撮影レンズを用いたと、書かれている通りに、その映像は臨場感があります。
3時間に及ぶ作品でしたが、舞台が次々と変わり、そのたびにバリーの栄枯盛衰を追っていて、あっという間に終わっていました。<BR!>!がーんと言う衝撃をこの作品からうけました。耽美的であり、冷酷でもあり。
18世紀の世界に関心がある人は、ご覧になって見て下さい。貴族の男性のお化粧や、つけぼくろといったファッションも見ものです。
バリー リンドン [DVD]
この映画を最初に見てからもう15年近く経ちますが、当時のショックはいまだに覚えています。
貴族社会での「決闘」、先頭シーンで銃声とともに隊列がばたばたと倒れていくその冷徹な描写...。(リアリティという意味では多少カリカチュアライズされているかもしれませんが、黒澤の「用心棒」のやくざ同士の対決場面にも通じる気がします)。
キューブリック作品の中では話題に上ることが少ない一品ですが、個人的には「博士の異常な愛情」と並んで最も好きな彼の作品です。
Barry Lyndon
この作品は映像が素晴らしいとよく言われていますが
音楽もそれに勝るとも劣らない素晴らしさです。
特にヘンデルのサラバンドはこの作品を見た人なら忘れられない1曲なのではないでしょうか。
シューベルトのピアノ三重奏もとても美しい。
個人的には時計じかけのオレンジと並ぶほどの名盤だと思います。
バリー・リンドン [DVD]
映像良し、音楽良し、衣装良し、こだわりもここまでくると大変良し。
静止画像だと思ったファーストシーンが、突然動き出したときにはびっくりしました。幸いにも25年ほど前、映画館で見たのですが、最初のシーンは「絵画」だと思いました。あんな雲は実際にはない、絵で描いたに決まっている、と思いました。ここまでフレームの中に自然美を収めることのできるのか、という映画の可能性に驚きましたね。これが最初の5分。その後次から次へと、ロココ絵画の美術館を歩くが如くの絢爛豪華な映像。こだわりの光の使い方、衣装、そして音楽。ヘンデルのメインテーマ「サラバンド」の重厚な弦の響きも良かったですが、「アイルランドの女」の何とも言えぬ郷愁を誘うような、しかも色気があって魅惑的なメロディーに映像共々酔いしれました。キューブリックの他の作品ほどストーリーに驚きはありませんが、私的にはキューブリックの映画作家としての心意気が一番出ている「最高傑作」だと思います。必見!