ドッグヴィル (BOOK PLUS)
私は既に海外でこの映画を鑑賞しましたが、日本公開が本当に楽しみでした!待ちに待った映画を字幕つきで見られる前に、本でおさらいしておこう、と手に取ったのですが、文章も読みやすく、グレースの言葉では表わされない気持ちも書かれているので、映画を見た方もこれから見る方も見てない方も楽しく読める作品だと思います。価格も良心的。小説と、ニコール・キッドマンの美しい演技の映画とを両方お勧めします。女性にとって、複雑な思いになる内容ではないでしょうか。
ドッグヴィルの告白 [DVD]
どこまでやってくれれば気がすむんだ。虚構、虚構、虚構と重ね合わせていって、ドッグヴィルというひとつの「世界」をつくりあげている。
保坂和志は「小説の自由」で、評論でありながらも小説でありうる、ということを示していたが、これもまたしかり。これはドキュメンタリーでありながら、ひとつの映画作品なのだ。
ドッグヴィルはメタフィクションであることに変わりないが、このメイキングを見て、果たして、映画「ドッグヴィル」のなかの人物たちは、自分が生身ではないことを本当は知っていたのではないか、と思わずにはいられない。そういうタイプのメタではないと思っていたのに。
ドッグヴィルがおもしろかった人は必見。
ある役者さんは、「頭のおかしい監督とは二度と組まない」とまで言い切っています。
ドッグヴィル コンプリートBOX [DVD]
最低のストーリーにして、最高の作品。
甘っちょろいWishful Thinkingよりも、
ドン底の「絶望」でこそ知る希望がある。
ダンサー イン ザ ダークは理解できませんでしたが、
この作品を見終わった後に、
監督の限りない人に対する愛がフツフツと伝わってきました。
もちろん、監督の意図はわかりませんが、
真底の絶望感をつきつけられたとき、
湧き上がってくる希望がある。
観終わった後、鑑賞者に委ねられた後に初めて完結する物語だと思いました。
舞台設定も絶望を描くための最低の紳士的配慮である気さえします。
何もかもがスゴスギル。
初めて映画を「作品」と呼んでイイ気がしました。
マンダレイ デラックス版 [DVD]
普遍的なテーマを扱っていた前作”ドッグヴィル”に較べると、テーマが明確になったこの作品は我々日本人にとっては衝撃はかなり薄れるのではないでしょうか?また人間の裏の裏まで覗こうとする前作では、セットむき出しの映像がすごい効果を上げてましたけれど、今回はストーリーとしてもシンプルですごく良く出来ている分、これなら普通の劇映画で見てみたかったなぁという感想も持ちました。
それでも130分息もつかせぬ緊張感が続くのは、すごいの一言ですが。また出演者の交代も違和感はありませんでした。ただやはり、これはドッグヴィルに続くシリーズ3部作のあくまでも2作目という位置付けで見る方がいいと思います。前作を飛ばしてこちらを先に見ると魅力も衝撃も半減してしまうと思います。
ドッグヴィル プレミアム・エディション [DVD]
とっつき易い映画ではありませんが、はじめの何章かを乗り越えてしまえば、あとはとても興味深い物語の世界に引き込まれていくと思います。
主人公・グレースと村(村人)の関わりあいを通して、(はっきり目に見えなくても確かに内在している)人間の「醜さ・汚さ・エゴ」、社会の「危うさ・危険性」といった面を浮き彫りにしていきます。モラル・教育・ルール、そういったものに抑えられていない人間像とも言えるかもしれません。
この映画を見ていて村人達に激しい怒りや哀しみ、嫌悪感を感じない人はまずいないでしょう。ただ自分だってこんな風にもなりえるんだという事を同時に感じると思います。
グレースの「力」による制裁はまるで正しい事のように感じる反面、ゾクゾクと心身に走る恐さがありました。
ではその「力」による抑圧がない立場の人間は?とも想像します。
決して心地良くはありませんし、かなり刺激的で乱暴とも言える見せ方なので、見る人を選ぶ面はどうしてもあると思います。
ただ、こういう見せ方だからこそ揺さぶられる要素という面も多分にあり、実際かなり強く響くものがありました。私はこの物語から感じ考えさせられる事にはとても意味があるもののように思います。見る(受け止め考える)価値のある映画ではないでしょうか。