不機嫌な果実
ドラマで使われていた、
スチールドラムを使った音楽がとても印象的でした。
放映から5~6年以上も経った今、
どうしてもまた聴きたくて、今になってCDを購入してしまいました。
全体にJAZZがベースの曲調。
軽やかで甘いようで…でも仄かに毒が感じられるところ、
複雑な味わい(?)でとても好きです。
不機嫌な果実
「私だけが損をしている」という主人公の何度となく繰り返されるつぶやき。この作品をよく表しています。
結婚に飽き足らず、でも損をしたくないので細心の注意を払って不倫。主人公は考え、逡巡しながらも突き進んでしまうのですが、その元になっているのは、女性なら普通に持っているずるさや計算高さです。でもこんな女性を、作者は時々、滑稽に見せようとしているみたい。例えば、食事中、白くゆれる豆腐を見て女性の体を想像し欲望をたぎらせたり、キッチンに漂うかすかな肉の腐臭の前で「聖なる静けさに包まれ」たり。 作者は女性が人に普段見せない部分を徹底して描いてくれる、ちょっとコワイ人ですが、期待を裏切らない作品です。
Again-Love Dramatics-
この作品はとっても良いと思います。
なんといっても、過去のドラマの主題歌を集めたもの。
なんとなく耳に残ってた歌詞を思い出させてくれ、
とってもいい気分になれます。そう言った意味でもいい作品です。
本当に、買う価値のあるCDだと思います。
不機嫌な果実 (文春文庫)
林さんは”計算高いのにおバカさん”なヒロインを描くのが実にうまい。こんだけ自分が可愛い人間がどうしていつも”損”をしているのだろう。”損”と言っても自分レベルで勝手にそう思い込んでいるだけで決して本物の”不幸”に見舞われているわけではないので、全くもって可哀相ではない。無用なプライドと”損をしている”という感覚をカナグリ捨ててしまえば一歩成長したいい女になれるんだけどね。でも、成長しちゃったら林ワールドのヒロインじゃなくなっちゃうしな~。きっと成長することのない”自称いい女”こそ林ワールドを担う重要なヒロインなのでしょう。(笑)