ストップ!にいちゃん〔完全版〕一学期【下】 (マンガショップシリーズ 266)
初出 月刊少年
やりすぎ!桃太郎!! 1963年3月号
モーレツ新入部員!? 1963年4月号
アバラ骨折で大ピンチ? 1963年5月号
退部騒ぎ 1963年6月号
ハワーイ旅行 1963年7〜9月号
学芸会の桃太郎は、今読んでも思わず吹き出しちゃいますよ。
前巻で主要キャラが揃ったと書きましたが、この巻で馬井くんが登場。
ハワイ旅行に船で行ったとか、勇一とうり二つのイワハ王国皇太子とか、記憶にないんですけど。
そのあたり虫プロコミック版になかった初収録だったりするのかな?
侍っ子
子どもの頃『ストップ!にいちゃん』のファンだった。スポーツ万能でおっちょこちょいの兄と体力はないけれど賢い弟の明るい物語で、ただ明るくて楽しいから好きだったのだと思っていたが、『侍っ子』を読んで、作者の関谷ひさしさんの思想に裏打ちされていたから、あの作品の明るさがあったのだと初めてわかった。おじさんと男の子はいつも他人を思いやり、けなげでほほえましく、かわいい。素朴な人間信頼がユーモアに包まれている、独特の関谷ワールドにほろりとさせられた。
ストップ!にいちゃん〔完全版〕二学期【中】 (マンガショップシリーズ 268)
初出 月刊少年
犯人は誰だ!! 1964年5月号
ボスの大活躍 1964年6月号
かたきうちの男 1964年7〜8月号
忍者 南郷勇鬼参上!! 1964年9〜10月号
にいちゃん、オリンピック行き!? 1964年10〜11月号
ユーモア学園ものであり、熱血少年もので、さらにモータースポーツまで出てきてしまう本作ですが、「忍者 南郷勇鬼参上!!」では、勇一が小説を書くという設定で忍者ものをやってしまう。その手があったか(笑)
小説の中の行動に弟の賢二やサチコが突っ込みを入れて、忍者漫画のパロディになってるとこが最高に笑えます。
「にいちゃん、オリンピック行き!?」は、まさに東京オリンピックの頃。『少年』は1968年の3月号で休刊になってしまったので、勇一がメキシコオリンピックに行く話は描かれなかったな(違)
ところで、ハゲ頭でヒゲの校長先生が45歳ですってよ。
ストップ!にいちゃん〔完全版〕一学期【上】 (マンガショップシリーズ 264)
虫コミック版全集の後 何度かベスト版は出たけど全集のリリースは40年ぶり
じゃないかな。自宅に虫版も有るけど、ページはボロボロ醤油のシミはベタベタ
(食事しながら読むのが日課でした)古書では1冊一万円もするのであきらめて
いた所の出版で嬉しい限り。当時の読者なら月1冊の雑誌で満足してた無欲な
時代、本物の火炎放射器やラジコンカーの付録を期待してた無邪気なころに
タイムスリップできます。中三の1年間に何度も初夢をみる点はつっこまないで。
今回、関谷氏が亡くなったのを初めて知りました 合掌。
ストップ!にいちゃん〔完全版〕二学期【下】 (マンガショップシリーズ (269))
初出 月刊少年
風邪騒ぎ 1964年12月号〜65年1月号
大雪合戦 1965年2月号
イヤなやつ! 1965年3〜5月号
イカダでアルバイト!? 1965年6月号
この巻では雪合戦とか、春になって練習を始めるとか、梅雨時で水があふれるとか、そういう季節感ネタが増えてきます。
それにしても「イヤなやつ!」の北条くんはなかなかイヤなやつで、学科も運動もできるが扱いにくい南郷勇一とあわせて、小学校低学年の頃読んでしまって人格形成に影響受けてしまったかも(笑)
その北条くんは、サチコにひっぱたかれて「パパにだって殴られたことはないんだぞっ、そ…それを!」と、どっかで聞いたセリフを言ってくれます。もちろんこっちが10年以上早い。
また、1965年5月号分で、一日中『鉄腕鉄人』のコミックを読んでる弟・賢二という話が出てきてて、1日読んでも終らないくらいの冊数を所有するなんて、当時は夢のまた夢で、すごくうらやましかったことを今でも覚えてます。いまやそんなシリーズを山ほど抱えて置き場所に困ってるわけですが。
巻末にはもちろん各号本誌・付録の表紙を完全収録。今回の表紙は1965年3月号付録のものです。