プライド 運命の瞬間 [VHS]
”A級戦犯として処刑された戦時首相”という肩書きによって、東條の人となりを語ることは余りにも表面的である可能性がある。時代の変遷に応じて”誠実に生きる”という価値は時として相対的になり、ある時代からは180度異なった評価を受けることは避けられない。そういうことを思わせる映画である。つまり東條という人間がいかに天皇に誠実に仕え、いかに家族を大切にし、軍閥のバランスに気を遣った人間であったか、こういう映画を見ずには、もはや肉親以外に知る由もないからである。ある意味、彼の誠実な姿勢とは現代の社会人にすら求められている姿勢ではなかったろうか。また東條の”一切語るな”という遺言に従って、粛々と戦後を生きた東條の家族に思いを馳せるときに、誠実な彼の人物像が浮き彫りになる。彼の振る舞いこそが東京裁判における彼の一世一代の身を張った”演技”であり、ヒトラーとは根本的に異なる性質のものである人物であることを知らなくてはならないだろう。史実とは異なった趣意で注意を寄せることで、時代の相対性を超えて、東條という個人を偲ぶ鍵となる映画だと言える。あの時東條に抱かれていた孫は現代に誇らしく誠実にあるに違いないと思う。
湾岸ミッドナイト フラッシュバック
如何こう言っても、実写版・湾岸ミッドナイトと言えば大鶴義丹でしょう。
原作より登場人物の年齢設定も高くストーリーも異なるのですが、その分
大人のドラマであり車を愛する者の美学が琴線に触れます。
音楽も然りで、夜のドライビングを流すのにピッタリの楽曲が並びます。
湾岸ミッドナイト4での劇中曲が中心に構成されていますが、主題歌の
「ラストシーンは口づけで」はアルバム中最高です。
惜しむらくは、サントラ好きの自分としては歌曲だけではなく劇中スコアも
収録して欲しかったですね。
義丹版・湾岸の中では、2、3の主題歌だった原大輔「TIMELESS LOVE…時を越えて」
が名曲中の名曲だと思うが、同曲の8cmシングルには劇中で使用されたスコアも収録
されていました。
残念な事にシングルも原自身の同曲が収録されているアルバム全てが、既に廃盤なので現在は視聴が
困難である。
個人的に思うのは、大鶴版「湾岸ミッドナイト」と「首都高速トライアル」の全・歌曲&スコア
のサントラをリリースして欲しい。
結構、お蔵入りさせるには勿体無い秀逸な楽曲が多いんですよねぇこのシリーズ。
こちらのアルバムも廃盤になって久しいですが、お勧めです。
原作より登場人物の年齢設定も高くストーリーも異なるのですが、その分
大人のドラマであり車を愛する者の美学が琴線に触れます。
音楽も然りで、夜のドライビングを流すのにピッタリの楽曲が並びます。
湾岸ミッドナイト4での劇中曲が中心に構成されていますが、主題歌の
「ラストシーンは口づけで」はアルバム中最高です。
惜しむらくは、サントラ好きの自分としては歌曲だけではなく劇中スコアも
収録して欲しかったですね。
義丹版・湾岸の中では、2、3の主題歌だった原大輔「TIMELESS LOVE…時を越えて」
が名曲中の名曲だと思うが、同曲の8cmシングルには劇中で使用されたスコアも収録
されていました。
残念な事にシングルも原自身の同曲が収録されているアルバム全てが、既に廃盤なので現在は視聴が
困難である。
個人的に思うのは、大鶴版「湾岸ミッドナイト」と「首都高速トライアル」の全・歌曲&スコア
のサントラをリリースして欲しい。
結構、お蔵入りさせるには勿体無い秀逸な楽曲が多いんですよねぇこのシリーズ。
こちらのアルバムも廃盤になって久しいですが、お勧めです。
秋の一族-全集-全3話収録 [DVD]
1994年10月15日から3回にわたってNHK「土曜ドラマ」で放送された山田太一脚本の「一族」シリーズの第2作目。製作は近藤晋、演出は深町幸男、音楽は福井峻というお馴染みのスタッフです。とにかく山田太一の脚本の上手さが光ります。第1話と第2話の伏線が最終話「結束」で見事に開花するストーリーは、見事としか言えません。失業中の元商社マンの緒方拳と間借り人の老年役者の藤岡卓也との掛け合いも面白さや、珍らしく落ち目の女を演じる岸恵子と屈折した犯罪被害者を演じる川原和久との不思議な関係。狂言回しの平田満の町工場の社長やあっけらかんとした嫁の原田知世も印象的でした。このシリーズには、特典映像で「山田太一からのメッセージ」が付いていて、自作を楽しく解説してくれるのもとても良いです。
チェンジ・ザ・ゲーム
大鶴義丹の作品を手にしたのは、すばる文学賞受賞作『スプラッシュ』を、ずいぶん昔に読んで以来。
良い意味で「青さ」が残っていて、うれしくなりました。
最初の出会いからそろそろ20年近く経つのに、今でも青春のエネルギーや影を書き続けている情熱には頭が下がります。
少年のリアルな成長物語を、ある種ファンタジックなヒップホップの世界(私が疎いだけでヒップホップ通にはリアルなのかな?)を舞台に描いた佳作だと思います。
良い意味で「青さ」が残っていて、うれしくなりました。
最初の出会いからそろそろ20年近く経つのに、今でも青春のエネルギーや影を書き続けている情熱には頭が下がります。
少年のリアルな成長物語を、ある種ファンタジックなヒップホップの世界(私が疎いだけでヒップホップ通にはリアルなのかな?)を舞台に描いた佳作だと思います。