白昼の死角 光文社文庫
恐ろしい本があったもんです。
確か、「狼は生きろ、豚は死ね」ですよね。
ここまで、非情に犯罪美学を追求する小説があったとは・・・。
今、工業から情報の時代に移ろうとしています。
そんな現代だからこそ、今一度「鶴岡七郎対策」が必要なのかも
しれません。
七郎が使ったテクニックは今では使えないものも多々あります。
しかし、その発想法は依然として斬新であり、猟奇的です。
今後を生き抜くためのも、一読しておく価値のある一冊だと思います。
確か、「狼は生きろ、豚は死ね」ですよね。
ここまで、非情に犯罪美学を追求する小説があったとは・・・。
今、工業から情報の時代に移ろうとしています。
そんな現代だからこそ、今一度「鶴岡七郎対策」が必要なのかも
しれません。
七郎が使ったテクニックは今では使えないものも多々あります。
しかし、その発想法は依然として斬新であり、猟奇的です。
今後を生き抜くためのも、一読しておく価値のある一冊だと思います。
刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫)
大戦後間もない1948年(昭和23年)に発表され、横溝正史の『本陣殺人事件』や角田喜久雄の『高木家の惨劇』などと共に日本の長編本格探偵小説隆盛の幕開けを告げた記念碑的作品。
占者の勧めで筆を執り、僅か三週間で書き上げた初稿を一面識もなかった乱歩に送りつけたところ激賞され、物資の乏しかった時代にいきなり単行本扱い(「宝石」別冊として刊行)の破格のデビューを果たしたエピソードなど振り返れば神話的ですらある。
怪奇的でケレン味たっぷりの作風と濃厚な不可能興味は『本陣』と共にその後の和製本格ミステリ、現代の新本格に至るまでの潮流を左右した。その影響力は大きい。
完成度では後の『人形はなぜ殺される』(1955年)にはやや及ばないが機械的な密室トリックと巧妙に仕掛けられた心理トリックの相乗効果が素晴らしく、さらに作中における刺青への偏愛も単なる装飾に留まらず物語と有機的に結合した魅力となっている。
新版を機に約30年ぶりに再読したが初読の際の興奮が全く失われる事なく、探偵小説を読む醍醐味を再確認することが出来た。
次は新興宗教内での連続殺人を描いた傑作『呪縛の家』(1954年)や密室トリックが秀逸な『死を開く扉』(1957年)の新版を期待したい。
占者の勧めで筆を執り、僅か三週間で書き上げた初稿を一面識もなかった乱歩に送りつけたところ激賞され、物資の乏しかった時代にいきなり単行本扱い(「宝石」別冊として刊行)の破格のデビューを果たしたエピソードなど振り返れば神話的ですらある。
怪奇的でケレン味たっぷりの作風と濃厚な不可能興味は『本陣』と共にその後の和製本格ミステリ、現代の新本格に至るまでの潮流を左右した。その影響力は大きい。
完成度では後の『人形はなぜ殺される』(1955年)にはやや及ばないが機械的な密室トリックと巧妙に仕掛けられた心理トリックの相乗効果が素晴らしく、さらに作中における刺青への偏愛も単なる装飾に留まらず物語と有機的に結合した魅力となっている。
新版を機に約30年ぶりに再読したが初読の際の興奮が全く失われる事なく、探偵小説を読む醍醐味を再確認することが出来た。
次は新興宗教内での連続殺人を描いた傑作『呪縛の家』(1954年)や密室トリックが秀逸な『死を開く扉』(1957年)の新版を期待したい。