小さな子豚のベイブが、牧羊犬として頑張る姿が微笑ましいです。牧羊犬と羊がお互いのことをバカだと思っていたり、食べられたくない一心でオンドリの真似をするアヒルがいたり、動物の社会にもいろいろあるんですね。人間が食べるために動物を飼うのも曲げられない真実。そんな過酷な動物のルールを、ベイブはベイブなりに乗り越えていくのです。頑張ってご主人さまの役に立とうとするベイブが、いつしか周りの動物たちも変えていくところにご注目！何と、あの無口なホゲットさんでさえ、ベイブのために歌って踊るという大サービス。すっかり動物のルールを覆してしまったベイブだけれど、ベイブは秘められた素敵な可能性の存在を教えてくれました。

宣伝を見ているとB級臭の拭えなかった作品ですが、予想以上に楽しめました。CGを使った演出も「このシーンでは宣伝用にお金使いました。すごいでしょう。」という派手な見せ方ばかりでなく、自然にストーリーと調和していくものだったと思います。また、CGを使いながらアナログ放送を通じて見せる点など、リアルに見せる手法が上手いです。終盤の霞が晴れてからの景色を除けば、それほど違和感は無いです。
地球温暖化が氷河期の到来を促すというという話は、数年前にネイチャーに掲載されて有名になった学説を元にしています。その部分については決して絵空事ではありません。ただし、ハリケーン、トルネード、ブリザードとアメリカ人が好きそうな気象現象が続出するのは、あまりリアルではないかな……。
人間ドラマが薄いのはちょっと残念です。同じ科学系パニック映画でありながら、人間模様がじっくり描かれたディープインパクトに比べると、物足りません。その点で☆一個分減点したいと思います。

非常に面白い。ぜひファーストガンダムからF91ぐらいまでを見てから読むことをお勧めします。