Double Cross
カナダ産ギターポップの代表格、スローンの最新作(2011年作)。
90年代から第一線で活躍し、日本のポップスファンにもお馴染みのスローンも、ついにバンドは20周年です。
これって浮き沈みの激しい音楽業界において何気にすごいことだと思います。
かつてティーンエイジ・ファンクラブやヴェルベット・クラッシュが一貫して奏でてきたように、
時代を超越したグッドメロディをスローンは2011年の今も鳴らし続けています。
ベテランらしく細部にまでこだわったサウンド全体のまろやかな響きを大切にしながらも、
瑞々しく軽やかでポップなサウンドは、彼らがまだまだ老け込んでいないのを証明しているように思います。
20周年なのに、12曲34分というコンパクトな作品なのも自信の現れでしょう。
久しぶりにスローンの名前を見たって方も、スローンなんて知らない若いリスナーもぜひ聴いてみてほしいですね。
大物バンドが次々と解散や活動休止する中、着々と自分たちのサウンドを鳴らし続けています。
胎動する地政学―英、米、独そしてロシアへ (戦略と地政学)
進化する地政学は現実の分析が多い内容でしたが、この本は
根本となる「地理と戦略との関係」を論じています。
特に面白いのはグレイ教授の「逃れられない地理」です。
なぜ地理が戦略で重要なのか?それはどんな意味を持ち、影響を与えるのか?
これらの質問への答えとなるものです。地理は中立なものです。しかし、国家はこの地理から
利益を見出せたり、逆に戦争において不利になることもあります。そして、この問題からは永遠に逃れることが
出来ないという意味で、この題名となったのでしょう。
他の論文も示唆に満ちていて面白い内容が多いです。ロシアの地政学はそれを懸命に役立てようと
努力しているのもわかります。
翻訳者の解説も分かりやすく、興味深い考察となっています。ワイリーの「戦略論の原点」も併せて読むと
一層理解が深まります。