サークルズ・アンド・サテライツ(3ヶ月限定スペシャル・プライス)
メロディー主体の音作りになったという割に、そのメロディーも全体的に凡庸な印象を受けました。耳あたりは良いですが、もっと前作のようなキャッチーさが欲しかった。
正直なところ、ボーカルの声が魅力的なので辛うじて退屈から救われている、という感じです。
アルバム中最も強く美しいメロディーを持ち中盤のギターソロも素敵な#11がボーナストラックだというのも皮肉です。
Rooster
話題な新人との事で聴いてみましたが、なるほどいいですね。しかし手堅く上手い、まとまりすぎてる感じがしますね。一般ロックリスナーにはすごくアピールすると思いますが、HR/HM野郎の私にはもう少しパンチが欲しい、新人らなではの勢いみたいなのが…そういった点では同じ英国で同じルーツをもつ新人バンドならANSWERの方が血が沸点に達する様な衝撃をうけました。しかし、セールス面はより広いリスナーに受けるであろうこのバンドが上かもしれません。安心して聴けますし、洋楽に馴染みがない人にも受けると思います。私はシングル曲以外の方がグッときましたね。女の子とドライヴなんかでも平気かな?メタルはダメだからなぁ…
Made in England (Reis) (Dlx)
72年発表の4作目。前作発表後、クレインと他のメンバーとの意見の対立からクレイン以外のメンバー全員が脱退。新たに元コラシアムのクリス・ファーロウ(vo)、スティーヴ・ボルトン(g)、ビル・スミス(b)、リック・パネル(dr) を迎えて制作された作品。
1.はブラスとストリングスを加えた分厚い演奏の上をクリスの濃厚なヴォーカルがそれに負けない迫力で迫ってくる。クレインのオルガン、エレピもオーソドックスなから見事なプレイを聞かせており、グループが新メンバーを加えて円熟の域に達したことの分かる見事な仕上がりを見せている。2.もブラスを効果的に配したファンキー・タッチな一曲。こういう曲にはクリスのヴォーカルはハマり過ぎであり、彼の参加によってグループの音楽性に大きな幅をもたらしたと言えると思う。3.はスティーヴの熱いギターがうねりを上げるブルース・ロック。4.はクラインの軽快なピアノの上をドロドロとマグマが流れるかのようなクリスのヴォーカルが素晴しい。こういうシンプルな曲を聴いているとヴォーカルのレベルによって曲の聞こえ方が全く異なることが良く分かる。
さすがにクリスのヴォ−カルは素晴しい。メンバーもそれを理解しているのか本作では彼のヴォーカルを中心とした作りになっており、従来の演奏重視の作風から一歩前進して非常にまとまりのよいブルース/ハード・ロックのアルバムに仕上がっている。ヴォーカル重視とは言っても随所で各メンバーの素晴しい演奏も聞かれ、それが楽曲そのものに覇気をもたらしている。彼らの作品としてはもちろんだが、英国ロックの中でもかなりクオリティの高いものの一つだと思う。タイトルも自信の現れと言ったところだろう。
ちなみにオリジナル盤はジーンズ生地のジャケットだったそうだが、99年にビクターから本邦初CD化として国内発売されたCDもジーンズ生地のジャケットになっていた。