Mingus at Carnegie Hall
74年のライブ盤。バンドリーダーとして、いつもは強力な支配力を発揮するミンガスが、サポートに徹した熱すぎるジャム。
何せメンバーが、ローランド・カークにジョン・ハンディ、ジョージ・アダムス、チャールス・マクファーソン、ジョン・ファディス、ドン・プーレン、ダニー・リッチモンドだ。特にカークは珍しくワンホーンのみで、彼の演奏でもベストのひとつといえる熱演。他の面々も熱いソロを取っている。
驚きはソロがないミンガスのベースだが、これが地を揺るがすような、腹の底から響くような、あのミンガス・ベースラインでメンバーをサポート。これが実に気持ちいい。ミンガスほど、聴いていて心地よく昂ぶるベースはないと思うのだが、どんなものだろう。
何はともあれ、ジャズメンたちの熱気がそのまま伝わるような超名盤。ミンガスのメッセージ性やバンドリーダーとは違った魅力が全開である。