Denim(初回限定盤)
『Denim』というアルバム・タイトルの風合い、懐かしさを感じさせる和風建築にたたずむポートレイト、ステキで心地よさを感じさせる曲の数々。一つ一つの曲に込められた温かくてどこか切ないメッセージが、デビュー当時に感じた雰囲気のままの甘い歌声で表現されるわけですから悪いはずがないですね。この『Denim』はまさしく「愛聴盤」の名に値するものでしょう。
「スロー・ラヴ」の爽快感、人の温かさが詰まっている「みんなひとり」、人生の応援歌のような「NEVER CRY BUTTERFLY」、どれもとても完成度の高い上質のJ−POPです。
「シンクロニシティ」がいいですね。竹内まりやの音楽世界がパッと広がっている感じです。山下達郎お得意のコーラス・ワークも切れがよく、明るく爽やかなサウンドが屈託なく展開しています。詩もデビュー当時の瑞々しさそのままのような感性で綴られていますので、感銘を覚えました。類稀なる豊かな才能の表れです。
ラストの「人生の扉」の歌唱にはジーンときましたね。その綴られたメッセージの一言一言が、実感を持って重く温かく心の奥深い所に届きました。辛くても悲しくても精一杯人生を生き抜いてきたような人達が、皆、共感できる歌ってそんなに多く存在するわけではありません。ステキな人生の歩みを見せていただいた思いです。♪気がつけば五十路を 越えた私がいる♪
初回限定盤の特典「Vintage Denim」には、過去のアルバム未収録の6曲がリマスターして収録されています。古さを感じさせないのに懐かしさを覚えるのは、曲本来の魅力でしょうか。シングルカットできるような曲が満載ですからとても得をした気分です。
Denim (通常盤)
竹内まりやさんの歌声は、よく磨かれたサファイヤのようでした。
どの曲も最高でした。
特に好きなのは、「スロー・ラヴ」の「本物の愛なら 見つけられる。僕はここにいるよ いつまでもね」、「返信」の「永遠の愛をこめた 私からの返信。魂に届くように」、「みんなひとり」の最後の台詞「Thanks to you,my friend」、「Never Cry Butterfly」の「壊れそうな心で 立ち向かう勇気を 神様はきっと見ているから。僕だけはちゃんと知ってるよ」です。
すべて、今の私の心に温かく沁みこみました。
歌詞カードの写真が、純日本風の家屋で撮影されていて、とても味わい深いと思いました。
まりやさんはとてもステキでした。