モンゴル帝国の興亡<上> (講談社現代新書)
長らく歴史の闇に埋もれてきたモンゴル高原ですが、12世紀の後半、チンギス・カンという一大政治家の出現により、分裂の克服と政治的統合を達成することとなりました。これは、草原の抗争によって培われてきた潜在的軍事力の組織化につながり、彼らのエネルギーは草原を東へ西へと迸っていきます。
代替わりの毎に分裂と混乱の契機を萌芽させつつも、チンギスの血はモンゴル諸王侯をゆるやかに結びつけ、イェケ・モンゴル・ウルスは帝国としてユーラシア全域を席捲・制覇するに至ります。
そんな中、実弟をはじめとする一族との抗争に勝ち抜き大ハーンの権力を手にしたクビライは、南の中華文明圏に対して憧憬と羨望の眼差しを注ぐのでした。
本書は、我が国におけるモンゴル史研究の第一人者たる杉山教授が、こうしたモンゴルの帝国的発展を一般向けに平易に解説するものです。上巻は「軍事拡大の時代」としてチンギスの登場からクビライの即位までを対象に、モンゴルの発展・征服・抗争を描きます。
著者は、漢文史料のみならず、ペルシャ語文献等をも歴史の素材として活用することを提唱しており、本書にも「集史」などをネタとした記述をふんだんに盛り込まれ、内容に奥行きを与えています。
モンゴル帝国の全体像を把握する上で、たいへん優れた本だと思います。
世界の歴史 (7) チンギス=ハンと李舜臣 : 宋・明とモンゴル帝国 集英社版・学習漫画
小学3年生の子どもが、夢中で読んでいます。授業で歴史を習う前に、おおまかな歴史の流れがつかめるので、おすすめです。他の歴史漫画よりも、絵が子どもの気持ちにすんなりと入ってくるようです。
モンゴル帝国の興亡〈下〉 (講談社現代新書)
上巻においてモンゴル帝国はユーラシア大陸の相当な部分を軍事的に征服した。
下巻では、これを受けて、その世界史システム経営について明らかにし、またその後裔となる勢力がいかに後世の世界史に影響力を及ぼしていったかをみていく。
その世界支配システムは、陸と海にまたがる壮大なネットワークにもとづくもので、軍事、経済、経済を合理的に管理した。それは後の近代的な世界システムの先駆けに他ならない。また、モンゴルはゆるやかに世界史の表舞台から消えてゆくが、その後裔となる明清、ティムール・ムガル帝国、オスマン帝国、ペルシア、ロシアなどは現代に至るまで存続した大帝国であった。
上巻に引き続き大胆なモンゴルからの世界史像の転換を迫る。
墓標なき草原(上) 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録
NHK・BSに「心の旅」というシリーズがあった。偶々眼にしたものは、少年時代を内モンゴルの日本人居住地域で送った初老の作家の物語である。彼は、中国化されて、共産党の政治スローガンの掲げられた集落や、微かに記憶のある草原を歩き、父母と過ごした戦前の日々を回顧する。そして、最後にクライマックスが訪れる。二度と会えないと思っていた幼き日のモンゴルの友人が現れるのである。思わず、あふれ出る涙。涙。抱き合う二人。「日本は二度と侵略しない」と誓って、番組は終わる。これまでの例から言えば、この「友人」は党が選抜した優秀な演技者・証言者である。外国メディアに対する常套手段である以上、NHKの担当ディレクターが知らなかったことはありえない。むしろ、担当者は演出に必要な作家の個人情報を流している。こうした作為まで、「日中友好」だと考えている可能性がある。
「内モンゴル」「ウイグル」「チベット」。中国共産党に解放された喜びの表情。熱烈な毛沢東万歳。中国に取り込まれ、便宜を与えられた平山郁夫が描いた、少数民族世界に於ける貴族たちの奴隷虐待とそれを解放する健康で清潔な八路軍兵士たち。
だが、国共内戦、人民公社化運動、反右派闘争、文化大革命の間に中国全土に起きたことが、「内モンゴル」や「ウィグル」「チベット」で起きなかったとしたら、それはまことに奇妙なことだ。しかも、内モンゴルはかつて日本が勢力圏にしていた地域であり、日本語教育によって高度に知的なモンゴル人たちが住んでいたところなのだ。
楊海英氏は、「内モンゴル」に起きた文化大革命における漢民族のモンゴル人大虐殺の記録を掘り起こす。氏は、「まだ、平静にはなれないのだ」と断りつつ、内モンゴルに起きた事件の数々と数万人の死者の記憶を、あふれ出る涙を抑えつつ、抑制された声で語り伝えようとする。
チンギスハーン 蒼き狼と白き牝鹿 4 パワーアップキット
この手のゲームにあるように、最初は臨場感があり楽しいものの
後半は大兵力と優秀なゆにっとによりかなり暇となってしまいます。
特に内政で学術などの数値を上げれば天才的な将軍が簡単に
入れる事から、後半かなりバランスを崩してしまいます。
基本的には面白いゲームですが、もう少し難易度があればいいかなと
思います。