暁闇のヴォルフ (2) (バーズコミックス)
前巻に引き続き狼人ヴォルフと盲目の少女・フェルスの旅を描いた第2巻。
余りにも強いメルヒェンの住人(例えば神話に出てくる怪物)は現世にやってくることはないようなのだが、
彼らの目の前に現れたのは誰もが一度は耳にしたことのあるかの神獣。
それは、天をも喰らう大顎。
果たして、どうやって現れたのか?
少しではあるがフェルスに関する事実も明かされ、
全体的にまったく勢いが落ちていない。
それにしても緒方先生は何というか、
やはり場面の見せ方と、それから命を描くことに関して抜群にうまいと、
この作品で改めて思わされました。
ヴォルフはところどころの設定が過去作の中でも自分がダントツに好きである『キメラ』と似通っていて、
そのことによって安心して読めるとともに、
また、これから緒方先生の描く怪物がどのような姿をしているのか、
どんなストーリー、どんな緒方節が見られるのかなどというワクワクも入り混じって
勝手に期待がでかくなってしまいます。
何より、自分にとってはメディア・ジャンル問わずダントツに一番格好良い男キャラである
緒方先生作『キメラ』のガラハットを超えられる存在も見られるのでは、とそんな期待もしたりしなかったり。
とりあえず、ヴォルフは今でも魅力的なキャラですが、これからどんどん格好良くなりそう。
オススメ、というか緒方先生って相変わらず不遇だなぁと思う今日この頃。
とりあえず、今作は打ち切りにならないよう私も応援したいと思います!!
暁闇のヴォルフ (1) (バーズコミックス)
著者の漫画は全部購読しているのですが、今度の新作は「久々に面白いのがキタ!!」と思いました。
二つの呪いをかけられた狼王の主人公が盲目の少女と旅をする物語です。「主人公の呪いとは?」「盲目の少女とは一体?」といった謎や、二人の関係(距離感)も良い感じ。
呪いのせいで自分の意思に反して戦う主人公はキャラが立っていますし、見た目もかっこよくて魅力大。
童話に出てくる者が「悪魔」として主人公と戦うのですが、1巻に出てきた敵は皆「動機」があって良いですね。何のために人間を襲うのかが分かりますし。
様々な能力を持った敵を前に、主人公がただ単に力押しをするのではなく、どうやって倒せば良いのかを考えるあたりも面白いです。
童話やオペラに関する注釈もあって、読者が物語の世界観に入りやすいのもポイント。