RAINBOW 1―二舎六房の七人 (ヤングサンデーコミックス)
戦後の日本。少年院に入れられた少年達とその先輩の絶望的なお話。
読むと結構つらくなってきます。
「戦争のツケを払うのは、いつの時代も社会的弱者だ」っていうのが本当にみにしみるような気がします。
今の日本は平和だけど、ここまで来るのに非常に多くの人の多くの努力あったのだと思う。
日本の平和に感謝。
絶滅危惧種の遺言 (講談社文庫)
今年74歳になった安部譲二が、自らを「絶滅危惧種」と称して残した一冊。
いつもダンディーで愉快でチャーミングな著者が、この本では「思い出したくもないこと」も「正直に書いて」おり、苦闘を偲ばせる。
ご自分では言えないであろうから、代わりに言っておく。
まさに波瀾万丈の人生であある。
「日本怪死人列伝 (扶桑社文庫)」の見事な推理と描写を読んでもらえばわかるが、何事においても急所を的確に捉える著者である。
その力は驚嘆に値する。
この本でも最後の方になって、読者にとてつもないプレゼントを用意してくれていた。
それは、あの迷宮入りした府中三億円事件の真犯人(!!!)を明かしてくれていたのである。
平塚八兵衛が真っ先に著者の家を訪ねてきたこと。
ブラジルであった日本人の若者・・・・・。
ここで真犯人の名前をいっては身も蓋もない。
だが、知れば誰しも驚愕するに決まっている。驚天動地とはこのことだ。
500円では安すぎる。
RAINBOW 19 (ヤングサンデーコミックス)
安部譲二のホームページを読むと、練習が始まる前から練習者とどのくらい連載できるかをかなり心配していたことがわかる。
安部は、柿崎正純と組めたことが大きい、という。
絵の担当の柿崎正純は20代、安部譲二は古希(70)になった。
編集者に言わせると「ギネスブック並の年齢の差」のコンビが渾身の力で書き続ける。
安部の要請もあって昭和30年代、40年代の勉強をした柿崎は、安部が「いまやその時代のオーソリティ」と絶賛するようになった。
それだけ「アツイ」この物語が、柿崎の画で一段と魅力のあるものになっている。
柿崎の画は1巻からうまいのだが、11巻あたりから更に上手くなっている。
「昭和30年----ぼくらは今のアフガンの子と同じように貧しかった」と昭和18年生まれの安部が言う時代に
強い絆をもって生きる主人公達は、柿崎の心を打ち、
柿崎から安部に回されてくる原稿は、ときに涙でボコボコになってたりするらしい。
安部の迫力と愛情に満ちた原作と、この柿崎の画のコンビネーションは強烈だ。
どちらがなくても、ヒット作にはならなかっただろう。
これは年齢に関係なく読まれるだろう。平成17年の小学館漫画賞に輝いたのもうなずける。
物語が終わるまで、読み続けたいと思わせる魅力がある。
ヤクザ1000人に会いました!
ヤクザの血液型から年収まで50の質問を1000人にし続けてきた著者。
そのまとめ。
本物のヤクザについて詳細に書かれている。
分量が多く、知らなかった一面について沢山知ることができ、非常に面白かった。
・血液型は何ですか?
・前職は何ですか?
・いつから不良ですか?
といったライトな質問から
・ヤクザを辞めたいと思ったことはありますか?
・親分に女房、自分の女を寝とられたらどうしますか?
といったヘビーな質問まで
合計20のアンケートとその結果が纏められている。
後半部分は著者がヤクザに会って来た中での経験談や世間で囁かれる話と現実の違いなどが書かれている。
中には京都大学卒のSEヤクザなんかも居て驚いた。
これからも取材を続けて欲しいですね。