狂った果実
「狂った果実」はいい意味で売れ線を意識されたセレクトの楽曲という印象。黒夢の「少年」の雰囲気を引き継いだサウンドが印象的ですが、最も注目すべきはリリックで、「光は許された 未来は開かれた」といった言葉があるように、ソロでの活動における新たなステージへの意気込みが感じられますよ。サビのメロディーは割とストイックな印象なので、結構何度も聴きこむとどんどん好きになっていくといった感じの曲ですね。
「HELLO, I LOVE YOU」も堂に入った感じで歌いこなしてます。そこまで派手な印象の曲ではないけど、何度も聴きかえしやすい構成になっていて、「20th century boy」のカバーよりも私的にはこちらの方が好きかな。
「SHARON」は気だるいコーラスから始まるミディアムナンバーで、ソロになってから研ぎ澄まされた彼のリリックのセンスが見事に炸裂してます。サビも耳に残りやすく、割とポップなのでこちらも何度も聴きやすい。初回限定Bの「CROW」ほどではないけど、良曲かと思いますよ。
しかし、3タイプでのリリースへの対応はさすがに辛いですね。せっかくいい楽曲を世に出してても、これではファンの方にも、またはこれから彼の作品を聴いていきたいという方にもいい印象は与えられないかと・・・。初回限定Bのレビューでも書きましたが、どうしても何タイプも出すのであれば、買った人の満足するDVD映像を心掛けてもらうなりして欲しかったです。そして初回盤とは異なる通常盤の方もリリースするなら、もっとファンをあっと言わせるようなサプライズ曲も収録して欲しいですね。Sads時代の未発表曲を入れてくれたりすると、うまみもあるのではないかと思います。
若干酷評にはなりましたが、音源自体はとてもカッコいいので、☆は当然5つということで。
日活100周年邦画クラシック GREAT20 狂った果実 HDリマスター版 [DVD]
北原三枝はどんな格好をしていても、その肉体の圧倒的なプロポーションが立ち現れる。
その素晴らしさはOL姿(純白のブラウスと黒のタイトスカート)の時に完全に発揮される。
それは水着姿以上に悩殺度が高い。
狂った果実 [DVD]
「遠雷」(1981年)で一般作デビューを飾った根岸吉太郎監督が日活ロマンポルノ時代に最後に撮った作品です。1981年の作品。主演は本間優二と蜷川有紀(演出家・蜷川幸雄の姪っ子)で、ロマンポルノ常連の永島暎子の名前も見られます。石原慎太郎の作品に同名の作品がありますが実は無関係で、実際はアリスが歌った同名曲がモチーフになっていると言われています。
昼はガソリンスタンド、夜はぼったくりバーで働く青年(本間)と資産家の娘で奔放な性格の女子大生(蜷川)と知り合いますが、かたや社会の底辺で蠢く青年と大学で優雅に過ごす彼女とのギャップに苦しみます。ある日、いつものようにぼったくりバーで働いていたら、思わぬ流れで取り返しのつかないことをしでかすことに…。
若者にありがちな時として無軌道とも思える行動や暴力性、そして性衝動などが衝撃的に描かれた作品です。もう少し知恵と経験があれば、少し考えてみれば…などと分別がつくようになった頃には、今度はエネルギーが低下してしまうという残酷なパラドックスは誰しも経験するかと思います。エネルギーもてあましながら、それを上手に発散できる術を知らない青春期の青年は残酷な仕打ちを受けているとも言えるかも。有名な雨中の情交シーンは、いま見てもけっこう衝撃的です。加えて、ラストの母親に電話するシーンと、よろめきながら坂を駆け下りるシーンは胸を打つものがあります。
狂った果実 (扶桑社ミステリー―探偵ベン・パーキンズ・シリーズ)
学校に講演に来たホロコースト生き残りのユダヤ人老人の車をめちゃめちゃに壊した。調査を進めていくにつれて浮び上がってきたのは、白人優越主義のグループに加わっているらしいケビンの姿と、その周辺に立ちのぼる危険な匂いが…
「死」と「人種差別」という二つの柱が交錯するクライマックスの対決の場面。それを迎えたところで、いよいよその勢いは最高潮に達する。
訳者は〈あとがき〉で「やれやれ、翻訳者にとってはたいへんな難物だった」と訴える。ただ、原作のhumorユーモア〈温かい人間味〉が溢れていて、それがこのシリーズの魅力である。