No More Heroes
ストラングラーズの最高傑作です。
プログレの流れから導入されたシンセサイザーの印象的な使い方が、このバンドの、他のパンクバンドとは一線を画する独特の音質の特徴となっています。
本作が作成された1977年は、まさにウォーホルが「誰でも15分間だけなら有名になれる」と言った時代、大衆化社会の到来のまさにその瞬間だったわけです。
タイトルナンバー「No More Heros」は、もう唯一人の男が英雄となって戦い、犠牲になる時代ではないと歌った、堂々たるパンク宣言の名曲となっています。
あれから30年。しかし時代は彼らの望んだのとは別の方角へと進んでいるようです。
Black & White
ストラングラーズは実際、孤高のバンドである。
彼らが活動をはじめたその後から、奇声をあげながらパンクムーブメントが起こり、
そこへ巻き込まれそうでいながらも、きっちり彼らとは距離を置き、クラッシュがレゲエのカバーや
取ってつけたような反戦ソングを歌う姿に冷たい視線をくれてやりながら
ごく真摯に、骨太でインテレクチュアルなメッセージを送り続けて来た。
センセーショナルな話題にも事欠かなかった彼らだが、ピルトルズのM.マクラーレンが仕掛けた花火
とは違い、あくまでも彼らの音楽に対する姿勢から必然の戦いだったのだ。
今でこそ安易にパンク扱いされてしまっている事は全く嘆かわしい限りだが、UK三大ガキバンドよりも
その姿勢は際立ってパンクな点がますますややこしい。
このBlack and Whiteは2thアルバムの『No More Heroes』での成功を受け、よりJJバーネルの色合い
が「待ってました」とばかりに前面に出ている。
空手の有段者であるJJは三島由紀夫の生きざまに衝撃を受け、そこから日本を俯瞰し、
その後に縁あってLIZARDと言う日本のバンドを初プロデュースする。
このアルバムでもベースの切れ味鋭い表現幅が目いっぱい示されており、
彼のベースに魅了されていたファンには堪らない仕上がりとなっている。
アナログ盤での発売時は白地に黒が水墨のようなマーブル模様を描くカラーレコードだった。
1.Tankから軽快で挑発的なをスタートを切り、オリジナルアルバムのラスト曲12.までが、
楽曲も傑作が絶妙の配置がなされ、ストーリー仕立てでもあり、アルバムの原題と相まって
モノクロのイメージはアルバムごと、三島へのオマージュと受け取れる作品だ。
アナログからCD化の際に13.と14がボーナストラックとして追加され、今回はさらに4曲が
追加されている。嬉しいやら、また買わなきゃの思いはありも、やはり素直に感謝をしたい。
ミントの香りは危険がいっぱい お茶と探偵11 (RHブックス・プラス)
アロマを学んで香水好きなせいか、今回の回は飽きずに読めました。
他のコージーブックも多々読んで、この著者の良さもわかる。何といってもサウスカロライナ、チャールストンの描写が、行ってみたいなぁという気持ちにさせます。
次回も待ってます。
ボストン・シャドウ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 281-2))
デビュー作『ボストン、沈黙の街』では、新人離れした筆運びに衝撃を受けたものの、
いまいち登場人物に感情移入できなかった。だが、今作でランデイが描いた
3兄弟の絆は震えが来るぐらいリアルだった。物語の肝となるサスペンスも
しっかり組み立てられており、大満足の読書だった。
また、前作はラストがアンフェアーに思われたが、今回はそのような欠点は
払拭されている。
著者は確実に進歩を遂げているようだ。
Rattus Norvegicus (Dig)
5大パンクバンドの中では、Damnedと並んで異色だったstranglers。
この1stは77年のパンク全盛期に発表された作品であるが、音的にはpunkと言うよりもNew Waveな感じである。
New Wave臭さを漂わせるキーボードに、j.j.バーネルによるゴリゴリのベース。そして、ジャキジャキとしたギターと渋いヴォーカルで曲にキレを持たせるコンウェル。
アルバムを通して伝わってくるどこか怪しげでいて、狂暴な音にKOされた方は多いはず。
この作品はパンク好きのみならず、New Wave好きの方にもお勧めしたい。
特にPublic Image LtdのMetal Boxでのベース音などにビクッ!!!!!
と反応した方には特にお勧めな作品だ。