ミュジコフィリア(1) (アクションコミックス)
作者得意の音楽もの、今回は楽器だけに頼らない現代音楽がテーマ
主人公の朔は楽譜は読めないが野生的な音感の持ち主で、様々な音楽を経験していく。
川の流れや日本庭園が奏でる音楽、音のない音楽などディープな音楽世界の表現は、鳥肌ものです。
マエストロ 3 (3) (アクションコミックス)
音楽しかもクラシックという「聴覚」の世界を、画文すなわちマンガという「視覚」で表現することはどう考えても至難の技であるが、筆者の構成力と表現力はよくその難事を達成したと思う。それまでの全てのエピソードが奔流となって大河に流れ込むさまを描いて、第21話は正に圧巻。また、天道がはじめて見せた柔和な表情(218頁)は、愛する全てのもの(音楽、妻、愛弟子たち)への限りないオマージュとも見え、胸を打つ。
神童[2枚組スペシャル・エディション] [DVD]
原作ではうたはもっと活発な女の子で、
うたの母親がもっとエキセントリックなように感じた。
なんと言うか、原作と映画とでは
持ち合わせている色合いが違う感じがしました。
原作を知らない方が何も思わず映画の世界に
入り込めるかも知れません。
映画の方が実際に音が聴こえてくるけれど、
おとなしい印象を持ちました。
原作の要素をを切り貼りして構成したような
作品で、監督さんとか脚本家さんが違えば
違った作風になったであろう作品でした。
駄作ではないと思うけれど・・・・。
松山ケンイチの演技力、成海璃子の美少女ぶりが
見所だと思います。
マエストロ (1) (ACTION COMICS)
クラシック漫画というと、最近は、「のだめカンタービレ」ばかりが話題を独占している感があるが、クラシック漫画というよりは、ギャグ漫画という趣のある「のだめ」は、クラシック・ファンには物足りなく、私の場合は、ギャグばかりの底の浅い内容に、次第に飽きが来てしまい、今では読むこともなくなってしまった。この「マエストロ」は、「のだめ」以上に笑えるギャグも入っているのだが、極めて良質な本格派クラシック漫画であり、こうした作品にこそ、もっともっと脚光が浴びせられてもいいのではないだろうか。
私が初めてさそうあきらを知ったのは「神童」だったのだが、この「マエストロ」では、「神童」より一層、専門的描写が深化しており、指揮者・オーケストラ・奏者を知り尽くした専門的描写は、玄人はだしレベルに達している。クラシック漫画以外にも、あらゆるジャンルの漫画を幅広くこなすさそう氏の、このクラシックに対する造詣の深さに、私は、ずっと、「さそうあきらって、一体、何者?」と思っていたのだが、先日、NHK・BSのクラシック番組「夢の音楽堂」にゲスト出演しているのを見て、さそう氏が本物のクラシック通であることが、よく理解できた。
さて、この「マエストロ」は、スポンサーの倒産で、一旦解散したオーケストラが、無名の怪指揮者天道とともに、一か月後の再結成コンサートに向けて歩み始める過程を描いた物語である。さそう氏は、途中から、奏者個人個人のエピソードを描くことに重点を置いているため、本筋がなかなか先へ進まない点はあるものの、毎話のストーリーは、いずれもよく練り上げられた出来の良いものばかりであり、第2巻の終盤からは、俄然、ストーリーがシリアスになって、怪指揮者天道の正体の一端も明らかになってくる。
2004年初めには全話のネームを完成させているというさそう氏が、最終第3巻で、どんな大団円を描いてみせるのかが、楽しみだ。
神童 [DVD]
序盤から中盤まではとても良い感じで、これは傑作ではないかと思いました。映画館で観ればよかったと後悔しながら鑑賞していた程です。ところが、終盤の名ピアニストの来日コンサートでのあまりに突拍子もない展開に、それまで入り込んでいた気持ちが一気に醒めてしまいました。その後もいくつかのエピソードが宙ぶらりんのままラストを迎えてしまい、どうにも煮え切らない感じが残りました。ラストシーンは絵的には非常に美しかったのですが、それが心に響いてこず残念でした。
これ、原作を読んでいる人にとってはいろいろな意味で補完ができるから問題ないんでしょうか・・・?私は原作は未読ですが、正直な感想としては、もう少し脚本や演出が変われば大傑作になったかもしれない「惜しい作品」だったなあというところです。
それにしても成海璃子さんの存在感はものすごいですね。もともとピアノが得意なのだそうですが、この映画の彼女は間違いなく一見の価値有りだと思いました。