バンドワゴン
はっぴいえんどとは一味違った持ち味の鈴木茂の1STアルバム。明らかに彼のソウルやボサノヴァへの接近とも取れるアプローチの数々は、当時としてはかなりの異端児であったと思われます。以降、アシッドジャズやフリーソウル的なサウンドを聴かせるハックルバックとの共演作、そして、ボサノヴァへの傾倒を感じさせる「LAGOON」へと彼の冒険は進む。が、80年代以降のアレンジャーとしてのソングライティングやアレンジは、初期のファンとしては散漫に感じるのも否めません。
安部公房の著作「砂の女」からヒントを得たと思われる一曲目から、松本隆の文学青年ぶりがうかがえます。バックバンドを固めるのもリトルフィートやタワー・オブ・パワーのメンバーという事で、音が日本人離れしているのも頷ける所です。かっこいいっす。
渋谷系が台頭してきた90年代以降の、オシャレなサウンドを求める方々にもオススメしたい作品です。
FUZZ: THE SOUND THAT REVOLUTIONIZED THE WORLD(ファズ:世界を変えた音)(初回限定1000部) [DVD+BOOK]
タイトルのFUZZに限らず、コンプやワウ・ディレイなどの開発者達のインタビューと、ダイナソーJrやジョンスペンサーなど、GEEkなアーティストのインタビューで構成。
楽器好きにはたまらない内容。
しかし、感動等はないので「マニアックなドキュメンタリー」として消化してください。
メーカーの立場から「ネット上の掲示板論争」や「イーベイでのプレミア取引」への言及など、ロックミュージックだけには括れない話題が注目です。
そしてエレハモの比率が高いのでファンは必見。
GOLDEN☆BEST OUR SONG~彼の歌は君の歌~
私は40代なのでリアルタイムで原田真二さんを聞いていました。1978年武道館公演も通った熱烈ファンです。このCDは1977年にトリプルシングルでデビューを飾った真二さんのB面も全て入っていますし、個人的には彼が独立してから出したシングル「OUR SONG」残念ながら当時ベストテン入り出来ませんでしたが、確か1978年の暮れに11位か12位まで上がってきていた曲目でした。歌詞も曲も全ていいので聴いて見て下さい!リアルタイムでない方はどうしても聖子ちゃんとのマスコミ取り上げで知った方が大多数だと思いますが、彼の音楽性は正直当時の中高生(1977年当時)の男子生徒も認めているくらい凄いアーチスト!もったいないし損しているのが彼のルックスの甘さとか良さを取り上げられすぎ肝腎の音楽を評価されなかったあの時代が非常に悲しい。今から真二を知った世代も遅くない。親子で聴いてみて下さい。凄くまとまったアルバムです。
基本ケースで学ぶ地域経済学 (有斐閣ブックス)
講義時間数を勘案して事例を厳しく絞った旨、はしがきに書いてあるが、事例数に物足りなさはない。むしろ、なるほどと思わせる納得できる事例を、うまく選んである。
通読しただけでは、「演習」問題を解くのはやや歯ごたえがあるかもしれないが、良い教科書だと考える。
英語ディベート 理論と実践
第二部「競技ディベート編」はディベートのスピーチ順(第一肯定側立論、1ACから最終反駁、尋問cross-examination、そして審査へ)にしたがって構成されている。各章の中では、実際のディベートの試合で行われた例を豊富に取り上げながら戦略、戦術の見本を示している。また米国ポリシーディベートに関する論文を数多く抜粋しながら第一線で活躍している・していたコーチ、ジャッジの方々の理論的考察を踏まえてディベート理論を説明している。
昨今多く見かけるディベートアンチョコ本やどこぞのディベートサーキットで伝わる悪習のようなものとは一線を画す良質な本。値段に十分見合う作りになっています。
星を一つ減らしたのは、近年アメリカで良く見かける批判的理論に基づいた議論が抜けていると感じたから。