各種データがくわしく載っており、いろいろなイベントの概略を書いてあるところは評価できる。
しかし何処に何が書いてあるかわかりにくく、書いている内容が重複している箇所すらある。
また、恋愛エンディングで聖騎士の告白を断れるとか、各キャラとのデート中に発生するミニイベントについては全く載っていない。
(エンディングの発生条件も一部間違っている)
とはいえ、ゲーム中で見られる奇麗なイラストが高解像度で見れたり、設定資料が載っている所が良い。
アルバレアの乙女―聖乙女の翼 (ASUKAノベルス)
恋愛シュミレーションゲーム「アルバレアの乙女」の小説下巻。
ただし、この小説は各話ごとに完結していると考えていいので、下巻といえども上巻の物語とのつながりはあまり無い。
(下巻に収録されている二話も繋がっていると考えない方がいい)
この小説中、もっとも素晴らしいのはやはり「聖乙女の翼」である。
麗しく身分も高い伯爵ロテール(ゲームと比べるととても誠実な人柄である)との恋におちたアシャンであったが、彼女の心はあくまでも聖乙女になることを望んでいた・・
現・聖乙女であるマリアの語る過去と、籠の鳥の比喩がアシャンの(そして女性の)自由と幸せについて深く考えさせる。
ただ、ロテールファンのためなのか恋愛心理描写のページ数が多く、情緒的で冗長気味。
(ゲームの根底にある)女性の自由と自立というテーマが伝わりにくいので、テーマに直結したマリアの話などにもっとページ数を割いて欲しかった。
アルバレアの乙女―聖騎士の都 (ASUKAノベルス)
「アルバレアの乙女」はアンジェリークと同じ乙女ゲームと呼ばれる分野であるが、この小説では、恋愛対象となる聖騎士を理想化する事なく、等身大の若者として描いており好感が持てる。
また、主人公に魅力が無くなりがちな乙女ゲームとしては珍しく、主人公の性格設定がきちんとしており、その点も良いと思う。
また、アルバレア王国の一般庶民から見たリアルな世界観や、「民族の誇り、騎士の勇気」で異なる民族同士の葛藤をテーマに、友情と平和の必要性について語っている所も高く評価できると思う。
アルバレアの乙女
《聖乙女》…それは長き歴史と栄華を誇るアルバレア王国にのみ存在し、国を護る聖騎士たちの能力を何倍にも高める特殊な力を有する戦乙女。次期聖乙女候補として王都へ集められた三人の少女のうち、プレイヤーはアシャンという元気な女の子になってライバルたちと競い合いながら聖なる存在を目指します。周囲には候補生をサポートしてくれる五人の聖騎士団長がいますので、そちらとの恋愛に走ってもOK。条件が揃えば彼ら以外のキャラも落とせますし、候補生同士の友情EDも見られます。某光栄(コーエー)の看板乙女ゲームの陰に隠れる形であまりメジャーではありませんでしたが、決して作品として劣るものではないと思います。寧ろ私はかなりハマりまくり、色々活動なんかもしてました(笑)。
この手のゲームの主人公は結構タナボタで(潜在能力を見込まれて…とか)何かの候補に突然選ばれ、そこから新しい環境に順応していくというのがセオリーですが、アシャンを含むこのゲームの候補生達は元々聖乙女になる為にかなりの努力をしてきています。昔から聖乙女に憧れて憧れて、ようやくその候補生に選ばれているのです。その自負の表れが最初の候補生同士の会話。三人とも『自分が未来の聖乙女』だと主張して憚りません。小気味良い程に自信に満ち溢れています。そんな所がとても新鮮かつ魅力的。
PS版はグラフィックの改善・イベントの追加等がウリですが、ゲームとしては元のPC-FX版の方が色々面白いですよ。入手困難ですが、そちらもおすすめ。
アルバレアの乙女 麗しの聖騎士たち 恋愛ガイドブック (プレイステーション完璧攻略シリーズ)
隠しエンディングを含め、ゲーム攻略に必要な
パラメータ数値と、その上げ方や、イベント発生条件が
細かく記されており、ゲームを楽しむために非常に役に立ちました。
ただし軽くネタバレしてしまうのは致し方ないことなので、
ネタバレを避けたい方は、攻略ガイドに頼らずに手間隙かけて
攻略していくことをお勧めします。