リヴィング・アウト・オブ・タイム [DVD]
ロビン・トロワーの初DVD映像です。この人はアルバムだとちょっと小さくまとまって地味な感じになりますが、ライヴだとジミヘン風ギターが大爆発して最高です。
今回はボーカルがマイケル・シェンカーともコラボ・アルバムをリリースしている人ですから、バンドのコンビネーションも良いです。
60歳になっても弾きまくる御大に拍手!
For Earth Below / Robin Trower Live
ギター一本でこれほど多彩な音が出せるのか…。シンプルな驚きが「Robin Trower Live」の中にはあります。特徴は、非常に長いサステインとトレモロ、ワウワウなんですが、とにかく切れ目なく次々と新鮮なフレーズが続きます。ほとんど感覚的なソロとは思います。しかし、上手い人ならではの演奏で、一発勝負と思えない安定感。さすが、ライナーでロバート・フリップが賛辞を贈っているだけのことはあります。
よくジミ・ヘンドリクスと似ていると比較されます。が、プロコル・ハルムの時代から弾いている人に、その評価は失礼かと…。ジミヘン級に上手くて華がある。そんな言い方をしたいですね。Daydreamでの、夢幻の彼方に飛ばされるような演奏、Lady Loveでの歪みまくったハードな演奏、Aletheaでのジミヘンをおちょくっているかのような感覚的な演奏…全てが聴きどころ。ボーカルとドラムズも的確で上手いんで、申し分ありません。
音はリマスターされていても、よくありません。マスターテープのヒスが消えていません。しかし、音質を気にしない人にはぜひ聴いてほしいです。(スタジオ作のForEarthBelowでは音質の問題はありません。)
A Tale Untold: the Chrysalis Years(1973-1976)
ロビン・トロワー。今では語られることが少ないようだが、僕がロックを聞き始めた80年代初頭では、人気ギタリストの扱いだったような記憶がある。
とはいえ、4作目の「ライブ」ばかりが語られる傾向があり、僕も、「ライブ」しか聞いたことがないフツウの音楽ファンだった。その頃は、ウチのステレオが安物だったせいか、イマイチ迫力を感じないまま、「ライブ」のLPは中古屋さん行きとなってしまった…
今回たまたまこの商品を見つけ、皆さんの高評価に興味を持ち、30年の時を経てついに聞きなおすことにしたという訳です。
イヤー良いですね。やっぱり一番気に入ったのは、「ライブ」。ストラトの音が最高です。特にA面の3曲でうっとりするようなソロを弾いています。フレーズは確かにジミヘン系ですが、メロディに透明感があり、独自の魅力があります。
1stはまだ習作中といった感じですが、出世作2ndではかなりカッコ良くなっています。
ロビンさんは歌わないようですが、歌担当ベースが適度にソウルフルで小気味良い感じです。
お買い得優良盤。ライナー等情報が少ないのと、ケースが昔のごついタイプなので、残念ながら★ひとつ減。
本当は★★★★半 としたいところです。音楽は良いですから。
Robin Trower Live
収録時間はたったの約40分。でも、でも・・、あまたある古今東西のライブ盤の中でも傑作中の傑作の1枚! もともとはスゥエーデンのラジオ番組用に収録されたもので、LP用ではなかったというから、やはり音楽は面白い。ぜひ、このジャケを眺めながら、“収録された当時のストックホルムに身を置いた気分で”聴いて欲しい。新に書かれた英文のライナーもついています。
音質面では、ぼくが持っている3作目のスタジオ盤とのカップリング作品「For Earth Below/Live」(LPの頃の印象に近い)とはG音色が違うように思う。ノイジーさも味わいがあったハイの部分をカットして、質実剛健なガッツリ音色に変わっている。3人の演奏もよりセンターに凝縮され強さが増したような印象。どちらも作品として優れているので、僕はその日の気分で選んで聴いています。
思い起こせば、‘78年の初来日時に中野サンプラザに行ったのは、本作発表後のスタジオ盤「Long Misty Days」発売後。B&Voのジェームス・ブリューワーは既にVo専任となり、4人編成に変わっていた。ロックバンドが3人から4人になるということは、それ以外の人数のバンドで1人増えるのとは全く違い、途端に音楽が変わると言われますが、この時がまさにそう、本当にガッカリしました。でも、このCDでは、(ブリューワーが'02年に亡くなったから)もう二度度聴けない3人による極上のライブが聴けます。「ダンサンブルなドラムが欲しかった」というロビンの言葉にあるように、3作目「For Earth Below」から新加入のDsビル・ローダンは多彩なドラミングを披露、触発されたようにジェームスもガッツにあふれた歌を、そしてバンドのスピード感、緊迫感は最初から最後までスキがありません。
ロビンのギターは、スタジオでもかなりライブ色が濃いですが、ライブではさらに自由奔放。トチリそうでトチラない、あの独特の”もたれ感”が僕には大きな魅力。ギターしか見ない人はジミヘンもどきと簡単にいいますが、ソングライティングやバンドの音作りが過小評価されているのが、とても残念です。本作はベスト盤とも言える選曲であり、未体験のロックファンにはぜひ試して頂きたいです。