誕生日のできごと (ポプラ文庫ピュアフル)
『誕生日のできごと』です。
著者初の長編小説、ということですが、連作短編形式です。
一人の女性の成長を、その年代ごとのエピソードを連ねる形式で描くといえば、森絵都『永遠の出口』などを思い出しますが、本書には本書の特徴があります。
タイトル通り、18歳から25歳までの誕生日の出来事を描いていること。あとがきに言及があるように「定点観測」によって、主人公の変化、成長を描いています。
各章のサブタイトルとして、その年の誕生日に食べていた物を象徴として入れているのも、作品一つを通じてのテーマとなっています。ハヤシライス、バーニャカウダなどの他にカップ麺までもあります。本文中でも、料理に関する記述は多めで、サブタイトルに出ている以外の食べ物の名前も多数登場します。
それぞれの話ごとに、歌の歌詞が挿入されているのも特徴。ただし作者オリジナルの架空の歌ですが。
編集者と相談して決めたらしい定点観測というアイディアが良かったです。その中で18〜25という年代で直面する、恋愛、進学、就職、車の免許取得などといった問題を上手く盛り込んでいました。そんな中で親しかった友人と疎遠になるとか、姉が予想外の人生を歩んだり、といった部分も印象的でした。
ラストは、ちょっと説教的ではあるけど、読者に委ねる結末により本書の内容を象徴的に表現していたと思います。
全体としてはやはり恋愛の比重が非常に大きいのですが、著者が描くこの年代の女性としてはそんなものでしょうか。
以上が、数ある本の中から本書を選んで読んだ感想です。評価としては★4を選びます。
サクサク現代史! (ナレッジエンタ読本 6)
最近ニュースでよく耳にする中東の国々や、もっと遡ると日本が負けた戦争がなんで始まったのか、等の情報がやばい程すっきりまとめられています。
色々本を探さなくても、この一冊で、近代の世界の流れを見せてもらえます。
今の米国大統領が在任中に読み終わってよかったです。
「あー、これもこれもこの人がやったんだー」と顔を浮かべながら読めたので。
妄想少女オタク系 [DVD]
少女コミックを映画化した青春ラブ・コメディですが、『腐女子(美少年の同性愛大好き少女)』を真正面から描いた映画なんて、初めてかも。
同性愛を描いた映画はずいぶんありますが、ボーイズラブ好きの腐女子ちゃんが主人公の青春映画というヒネリ、腐女子に振り回されるノーマルな男子というのが面白いですね。普通逆のパターンなわけですが、しっかり青春映画、ラブコメ映画しているのがいいです。
監督の堀禎一は、ピンク映画出身とのことですが、ギリギリの低予算が伺えるミニマムな画面作りの中で、学園生活の躍動感と出演者自身の魅力という、青春ラブコメを支える二つの柱を着実に表現した点がなにより素晴らしい。撮影コストをかけずに画面外の広がりや世界観を再現してしまう超省予算テクニックは、その経験が生み出したものでしょう。
男の子に直接的な恋愛感情は持てないが、親友同士の千葉君と阿部君ができていると勝手に思い込んで、ウットリしてしまう主人公の浅井留美を演じた甲斐麻美は、「魔法戦隊マジレンジャー」に出てた娘らしいですが、メガネっ娘でアナクロなおさげ髪も似合う。ちょっと萌えな感じがピッタリでした。
OVA ToHeart2 adplus 第1巻 <特装限定版> 向坂環パック [DVD]
今回の作品は前シリーズの予告通りシルファメインのお話です。
とはいえ、ミルファもほぼ準主役級、OVA初参戦の春香ママ
更には映像セリフ初出演の菜々子ちゃんと見所もあるのですが
メインテーマがお買い物なせいか他のキャラとの絡みが弱いので
そのへんを期待しているとちょっと・・・かもしれません。
とはいえ、シルファはちゃ〜んとシルファらしさが出ているので
シルファ好きには文句なくお勧めです。
特典映像は「溝らじ」知ってれば、そのまんまなので面白いですが
知らない方は「?」だと思うので、今すぐラジオを聴いてみましょうw