殴る女
父は高齢で施設に入り、母も病気がちです。その一人娘ではありますが、
私は大学でフランス文学を教える日々で、ゆとりの時間は全くありません。
ストーカーにつけねらわれて、斃すためにボクシングを始めました。
ある日ふと、田舎の場末のホストクラブでとんでもなく経済観念の
破綻したホストに出会います。容姿が優れるわけでもなく、なにが
魅力なのかわからぬうち、つい魔が差して深みにはまります。
他人から見れば、なんでこんな男とと思うのですが、どうしても
別れられません。
こんな生活をしていていいだろうかと考えつつも、
そうするしかないという説得力のある名作です。
フジテレビ系ドラマ 殴る女 オリジナル・サウンドトラック
ドラマ「殴る女」は、内容もさることながら(多分、現実では絶対ありえないんだけど!)、主演2人の会話がまるで掛け合い漫才のようでとっても楽しかったです。あの和久井映見さまがよくしゃべる事!多分、相手役の吹越満のリードのおかげだと思うけど(元WAHAHA本舗だもん)・・ほんとに間合いといい、セリフひとつひとつが面白かったです。
内容は、30過ぎた元エリート会社員(吹越満)が自分の‘居るべき場所’を求めて、昔やっていたボクシングにもう一度かけることに。そこへ、結婚を控えた女(和久井映見)が事務員としてやってきて、なんと、トレーナーとなって一緒に夢をかなえていく・・・という話。女もまた、結婚とは違う、自分の‘居るべき場所’を探し求めていたのだった・・・
主題歌はミスチルの名曲、「終わりなき旅」!!歌詞がこのドラマの全てを表現しています。全編に流れる音楽を大島ミチルさんが担当なさっています。残念ながら、ミスチルの曲は入ってませんが、インストルメンタルとして入ってます。
ドラマを見ていた方なら、オープニング曲をはじめ、なじみのある曲ばかりです。
ついでですが、ドラマは残念ながらDVD化してないので、是非して欲しいです!!
「ドラマ テーマソング・ヴァリエーション」~インストゥルメンタル~
人気TVドラマの主題歌をオーケストラやピアノで編曲したインスト集。
演奏自体は立ち食いソバ屋で流れてる歌のない歌謡曲(有線)レベルを越えている。
名曲がオーケストラで鮮やかに蘇ります。
殴る女たち 女子格闘家という生き方
ここに登場する選手たちは、みんなジョシカクの世界では名の通った者ばかりですね。
過去のインタビューものでは個々にマニアックな話が突っ込まれてきました。
HIROKOならやっぱりSM嬢という前歴を突っ込まれ続けたし。
この本では、きわめて彼女たちを真っ直ぐに捉えています。
普通の女の子でもいいはずの子がなぜ、この世界にのめりこんでいくのか?
ただし、読後感としては、ナンバーや、ビッグコミックのスポーツコラムとか、
そういうなかで紹介される程度の話ではないかな?
あっさりとした薄味の感は否めません。
その理由を考えてみると、やはり年齢的に20代前半〜30代前半の女性に劇的な人生の変化、苦労、ドラマを求めるのは無理なのか?
まだまだ人間として未熟なんですね。
未熟な年代の人たちに達観されても素直に同意できないし。
でも、佐々木さんは文章が上手いです。肩の力が抜けているのがいいです。
だからこそ、未熟な人間の浅い考えであっても妙に弁護することもなく、自然に行間を読ませる余韻を残しています。
本書を読んでからジョシカクに興味を抱く人はきっと多いと思います。
わずかに10年というジョシカクの歴史を考えると、いまは入門書に過ぎないけど、
のちに本書がバイブルとして位置づけされることを期待しています。