TERMINAL
Salyuはまちがいなく21世紀初頭のJPOP界随一の声楽家(ヴォーカリスト)だ。
人間の声がもつ力というものを、存分に発揮してくれる。声とは本来、楽器以上のものなのだ。
高音で絶叫しても声が割れない。また、最近子音をいやみに(英語風に)強調する歌手が多
いなかで、Salyuの母音中心の歌唱はちょっとオペラ的ですらある。
で、小林武史の曲作り(作曲、編曲)だが、“やり口”がミエミエ。まるで、下町の老舗の
洋食屋のがんこオヤジが作る料理のよう。たしかに美味いのだけど、どのメニュー(曲)を
喰っても同じような味。
ところが、5曲目「故に」の冒頭で、Salyuがドスの効いた声で「氷河期超えてー」と歌いだす
と、急に視界が開ける。一青窈の詞がからむと、やはりいい。奥行きが出る。
Salyuのヴォーカルは5ツ星。コバタケのアレンジでマイナス2ツ星。一青窈の詞で一ツ盛り
返して、最終的な評価は星4ツ。
Salyu Clips 2004-2007 [DVD]
サリューの歌声、楽曲はどれもすばらしい。しかしながら、「彗星」をはじめとして、音楽と映像が全くあっていないのはなぜ?? こういう演出なんでしょうけど、個人的には好みません。だったらphotogenicについていたライブDVDのほうが圧倒的によかったです。
森ガールvalon vol.1 (タツミムック)
本屋さんを3軒まわったのですが売り切れたっだ為、こちらで注文しました。
私はいわゆる“嗜好はかぶっているけれど所属はできない森ガール”でした。
だけどこの本は私の気持ちを汲み取ってくれるような、新しい提案もあったりして、これならマネできる!してみたい!と思うコーディネートがたくさん載ってました。
今までの森ガール本の中には、流行ってるし、こういうのが好きなんでしょ!という少々無理を感じる押し付けがましいものもあるように私は思いました。
だけど、森ガールはもともとずーっと存在していたもの。そこに名前が付いただけ。だから流行じゃない。バロンはまるでそこを理解しているような一本の筋を感じました。
いい意味でゆる〜く時間が流れていて、いつもそこにある、そこにいてくれる存在の雑誌であって欲しいです。
どの子も超かわいいアルパカさん達の写真やグッズはツボでした(>_<)
あと、Salyuちゃんも大ファンです。
森山未来が森ボーイ!?って意外な感じもしましたが、はまってました!スナフキンみたいで…でも寝転がってる写真は少年のようで…。
あと、zineにも興味があるので私も挑戦してみようかと思います。
ハルフウェイ [DVD]
とっても素敵な映画でした。
特に展開はないのでストーリーを追う感覚で見る映画でははないと思われます。
瞬間を切り取ったような美しい映像と登場人物のやり取りを楽しめ、「これから二人はどうなっていくんだろう...。」となんともいえない感情に浸ることができました。
クラスに一組ぐらいいたであろうカップルを見ているようで、昔を思い出してなんだか懐かしかったです。
北川悦吏子さんが監督をされているのですが、やっぱり岩井俊二さんっぽいです。
あの空気感には毎回脱帽します。
それとキャストについてですが、テレビドラマくさい感じがしましたね。(特に悪い意味ではないです。)
北乃きいは想像通りで、あのはちきれんばかりの元気な演技と今時な感じはイライラするほど可愛かったです。
そして何より岡田将生が素晴らしい!
ノーマーク(流行りのイケメンでアレかと思い)だったのですが、私にとってはかなりのはまり役でした。
salyuの歌もかなり映画にあっていて曲調とは裏腹に切なさを想わせます。これも素晴らしい。
ながながと私見を書かせていただきましが、ゆとり教育の中の真面目で不安定な青春を垣間見るような、決して特別な出来事ではないけれどなんだか切ない映画です。