背中合わせの愛情と殺意おすすめ度
★★★★★
ホラー漫画界の奇才、御茶漬海苔の代名詞ともいえる『惨劇館』の文庫版第2巻です。
第2巻は、悪魔に取り憑かれ、周囲の人たちの首が次々と消えてしまう少女を描いた長編「消える首」(少女が消えた友人の頭を口から吐くシーンは圧巻)に加え、女子生徒の体内に爆弾を埋め弄ぶ教師を描いた「人間爆弾」、殺された母、殺した父のどちらを信じればよいのか分からない娘の葛藤を描いた「メモ」(床下に詰められた蝿の集る死体には愕然)など、短編も充実。
しかし、それらよりも自信を持ってお勧めしたいのは、やはり「ブラインド」と「童鬼」の2つの短編です。
愛情とは、ちょっとしたきっかけでこうも容易に嫉妬や憎しみに変わり、そして殺意に変わってしまうのか。誰しもが持っているであろう心の闇を鋭く抉り取り、ショッキングに描いたこの2つの作品は、分かっていても深く考えることをしなかった何かを、私たちに再び突きつけてくるかのような錯覚を起こさせます。詳しい内容には触れません、この2作品は是非皆さんご自身の目で。
コミックスおよそ2冊分の充実した内容で、読み応えは十分。第2巻は、文句なしに5つ星でしょう。
良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。値段の割には上出来。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。