原子炉の蟹 (講談社文庫)
週間文春1981ベスト10 総合1位
房総電業 高瀬社長に端を発し、九十九里浜原発内で密室殺人事件がおこる。
中央新聞の曾我と、同千葉支局に原田は、千葉日々 京林からの情報をもとに調査を開始する。 ・・・
作者が新聞社を定年退社後にものした江戸川乱歩賞受賞作。原発の内外の実情が記者ならではの視点で、詳細に描かれており、社会派推理小説との評価があるようだ。
が、原子力発電所という機密性の高い舞台設定で、密室状態つくりあげるために、このテーマを選択したように思える。ここで発生する連続殺人も「サルカニ合戦」の見立てがあって、社会派という範疇にだけ留まってはいない印象を受けた。一見無理がありそうな展開も、それほど違和感なく、ラストまで読みすすめることができた。
ただ、犯人候補となる(はず?)の序盤の登場人物が、何事もなく消えてしまうのは、ちと不満。応募作がゆえの枚数が制約となっているのかなぁ。
房総電業 高瀬社長に端を発し、九十九里浜原発内で密室殺人事件がおこる。
中央新聞の曾我と、同千葉支局に原田は、千葉日々 京林からの情報をもとに調査を開始する。 ・・・
作者が新聞社を定年退社後にものした江戸川乱歩賞受賞作。原発の内外の実情が記者ならではの視点で、詳細に描かれており、社会派推理小説との評価があるようだ。
が、原子力発電所という機密性の高い舞台設定で、密室状態つくりあげるために、このテーマを選択したように思える。ここで発生する連続殺人も「サルカニ合戦」の見立てがあって、社会派という範疇にだけ留まってはいない印象を受けた。一見無理がありそうな展開も、それほど違和感なく、ラストまで読みすすめることができた。
ただ、犯人候補となる(はず?)の序盤の登場人物が、何事もなく消えてしまうのは、ちと不満。応募作がゆえの枚数が制約となっているのかなぁ。
江戸川乱歩賞全集(13)原子炉の蟹 写楽殺人事件 (講談社文庫)
過去の江戸川乱歩賞の作品を読んでみたいと手に取りました。時代背景が違うんですが…大企業の隠蔽体質は変わらずで描かれています。この頃から原発に大きな問題があったのだと考えさせられました。
推理小説として、やはり今読むとつらい文章があります。まだ古典に入らぬ年数ですし…当時としては最高の作品だったんでしょうね。
(写楽の方、まだ読んでいません)
推理小説として、やはり今読むとつらい文章があります。まだ古典に入らぬ年数ですし…当時としては最高の作品だったんでしょうね。
(写楽の方、まだ読んでいません)