J.S.バッハ ギター作品集
「リュート組曲の」や「ギター演奏における」などの注釈を必要とせずに「最高のバッハ演奏のひとつ」と断言できる。名手セルシェルに操られる11弦ギターは鍵盤楽器と遜色なくポリフォニーを自由に絡ませ弦楽器の様に繊細なコントロールを両立している。
バッハ演奏としてはリヒター、グールド、カザルス達が取り上げられることが多いが、このセルシェルの様にメジャーでなくても優れた演奏があることはもっと知られるべきである。とは言え録音から20年経っており立派なスタンダードである。再録音はないのだろうか。
バッハ演奏としてはリヒター、グールド、カザルス達が取り上げられることが多いが、このセルシェルの様にメジャーでなくても優れた演奏があることはもっと知られるべきである。とは言え録音から20年経っており立派なスタンダードである。再録音はないのだろうか。
From Yesterday to Penny Lane
以前本作とそっくりのジャケのセルシェルのCDビートルズ名曲集のレビューを書いた。セルシェルはビートルズ・カバーの録音を2回行っており、第1弾が94年録音の全曲ギター独奏のフール・オン・ザ・ヒルで、第2弾が99、00年に録音された本作。上記ビートルズ名曲集はこれら2作から曲を選んだ編集盤だ。
本作の特徴は、演奏スタイルの多彩さ。まず前半がギター独奏5曲、ペル・アルネ・グロルヴィン演奏のバンドネオンとのデュエット3曲によるビートルズ・カヴァー。後半でエーテボリ交響楽団の弦楽オーケストラと10曲共演。うち3曲はG.マーティン作・編曲のアメリカの歴史を念頭においたアメリカ賛歌。残り7曲がキューバの元名ギタリストのレオ・ブローウェルが編曲したビートルズ・カヴァー。1枚で4倍楽しめる贅沢な4部構成だ。本作でのセルシェルの独奏は全部ビートルズ名曲集に含まれているので、それについての私のレビューを参考にして下さい。
タンゴを感じさせるバンドネオンとのデュオが素晴らしい。M6、8はパーカッシブなアレンジが鮮烈。M7はバンドネオンの洒落た音がギター、そしてビートルズの曲にフィットすることに驚く。ストリングス・オケとの共演パートは豊穣なオケの調べにうっとりする。M9、11は朝聴くと1日分の元気をもらえる。残りの曲も理想的なギターとオケの共演だ。
このように、セルシェルのギター独奏だけでなく、オケ等との共演を通じて、セルシェルのビートルズ&G.マーティンへの確かな敬愛を感じる、チャレンジングな魅力に満ちた1枚だ。
本作の特徴は、演奏スタイルの多彩さ。まず前半がギター独奏5曲、ペル・アルネ・グロルヴィン演奏のバンドネオンとのデュエット3曲によるビートルズ・カヴァー。後半でエーテボリ交響楽団の弦楽オーケストラと10曲共演。うち3曲はG.マーティン作・編曲のアメリカの歴史を念頭においたアメリカ賛歌。残り7曲がキューバの元名ギタリストのレオ・ブローウェルが編曲したビートルズ・カヴァー。1枚で4倍楽しめる贅沢な4部構成だ。本作でのセルシェルの独奏は全部ビートルズ名曲集に含まれているので、それについての私のレビューを参考にして下さい。
タンゴを感じさせるバンドネオンとのデュオが素晴らしい。M6、8はパーカッシブなアレンジが鮮烈。M7はバンドネオンの洒落た音がギター、そしてビートルズの曲にフィットすることに驚く。ストリングス・オケとの共演パートは豊穣なオケの調べにうっとりする。M9、11は朝聴くと1日分の元気をもらえる。残りの曲も理想的なギターとオケの共演だ。
このように、セルシェルのギター独奏だけでなく、オケ等との共演を通じて、セルシェルのビートルズ&G.マーティンへの確かな敬愛を感じる、チャレンジングな魅力に満ちた1枚だ。