かめくん (河出文庫)
日本のSF小説の中で連綿と受け継がれるナンセンスの世界と
現代の感性がいいあんばいで混ざり合った、
派手さはないけどしっとり読める良作SF小説。
なんだか判然としない目的のために作られた
ロボット的な何かであるはずのかめくんに
自分を投影してしまうのが不思議。
からっぽなかめくんだからこそ
誰にでも共感できる構造になっているのかもしれない。
かめくんが自分自身のこうらの内側を見るように
読者も自分の内面に目を向けることになる。とか。
最後にかめくんが人と同等に暮らしていくことを
困難にしていたひとつの要因がはっきりするのだけど
なんというのか、哀しい愛しい感じにぎゅっとなります。
かめくん。君は・・・。
現代の感性がいいあんばいで混ざり合った、
派手さはないけどしっとり読める良作SF小説。
なんだか判然としない目的のために作られた
ロボット的な何かであるはずのかめくんに
自分を投影してしまうのが不思議。
からっぽなかめくんだからこそ
誰にでも共感できる構造になっているのかもしれない。
かめくんが自分自身のこうらの内側を見るように
読者も自分の内面に目を向けることになる。とか。
最後にかめくんが人と同等に暮らしていくことを
困難にしていたひとつの要因がはっきりするのだけど
なんというのか、哀しい愛しい感じにぎゅっとなります。
かめくん。君は・・・。
狂気山脈の彼方へ (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)
オマージュシリーズの場合、書き手さん達が元ネタと成る作品をどう捉えているかが判って面白い時が有るのだが、今回も正にそれ。「狂気の山脈」が全く出て来ない!
「狂気の山脈」と云うと1万メートルを超える山・・・と云うのが先ずもって最初のインパクトなのだが、どちらかと云うとラストのオチ役(?)であるShoggothや南極の海百合状生物(古きもの、旧支配者、古のもの・・・と色々あってややこしいので、こちらの名称を使用する)の存在が中心に据えられている。元ネタの続篇に当たる作品ですら、南極大陸そのものが出て来ない・・・あの作品の中心は南極に1万メートルを超える山が有り、しかもそこには人類を創造したエイリアンの殖民地が在った・・・と云うものなのだが、矢張り日本ではShoggothがポイントに成るのだろうか・・・まあShoggoth可愛いから良いけど。
●北野勇作「頭山脈」
一種の叙述トリックものだが、実に落語向きで、作者に落語用に書き直して頂どなたか落語家の方にクトゥルー落語として、やって頂けないものだろうか。どうでしょう、創土社さん?
●黒木あるじ「恐怖学者・羅文蔵人の憂鬱なる二日間」
伝奇SFの趣が感じられノリがウルトラQな作品。
テレビドラマのタイトルに「オサダゴワ」とか「E・ツァン」「ハスター」「ウルタールの猫」「トラペゾヘドロン」等の名前が入っているお遊び以外は大概真面目で、この准教授使ってクトゥルー神話のシリーズ出来そうだな。黒木先生&創土社さん、この主役コンビでいっそ長篇出版はどうです?
●フーゴ・ハル「レーリッヒ断章の考察」
ゲームブックだが、元ネタの続篇と成っているオカルトスリラー。
「狂気の山脈」と云うと1万メートルを超える山・・・と云うのが先ずもって最初のインパクトなのだが、どちらかと云うとラストのオチ役(?)であるShoggothや南極の海百合状生物(古きもの、旧支配者、古のもの・・・と色々あってややこしいので、こちらの名称を使用する)の存在が中心に据えられている。元ネタの続篇に当たる作品ですら、南極大陸そのものが出て来ない・・・あの作品の中心は南極に1万メートルを超える山が有り、しかもそこには人類を創造したエイリアンの殖民地が在った・・・と云うものなのだが、矢張り日本ではShoggothがポイントに成るのだろうか・・・まあShoggoth可愛いから良いけど。
●北野勇作「頭山脈」
一種の叙述トリックものだが、実に落語向きで、作者に落語用に書き直して頂どなたか落語家の方にクトゥルー落語として、やって頂けないものだろうか。どうでしょう、創土社さん?
●黒木あるじ「恐怖学者・羅文蔵人の憂鬱なる二日間」
伝奇SFの趣が感じられノリがウルトラQな作品。
テレビドラマのタイトルに「オサダゴワ」とか「E・ツァン」「ハスター」「ウルタールの猫」「トラペゾヘドロン」等の名前が入っているお遊び以外は大概真面目で、この准教授使ってクトゥルー神話のシリーズ出来そうだな。黒木先生&創土社さん、この主役コンビでいっそ長篇出版はどうです?
●フーゴ・ハル「レーリッヒ断章の考察」
ゲームブックだが、元ネタの続篇と成っているオカルトスリラー。