トゥルー・ロマンス ディレクターズカット版 ブルーレイ(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
トニー・スコットは兄リドリー・スコットに比べ批評家の関心が薄いが、この作品はもとより「トップ・ガン」「デイズ・オブ・サンダー」などブロック・バスター作品に多く関わる、陰影と濃いパステル調の色味や、劇画調の水平を外したショット、速いカット割りなどにも特徴のある職人気質の監督である。
そのなかでもタランティーノの脚本を得た本作は、上記したスコットの特徴とよくマッチした印象深い一本といえる。
デトロイトの場末の映画館で上映されるソニー・チバ主演「ストリート・ファイター」3本立てに絡まるコミックショップ店員クリスチャン・スレータと娼婦パトリシア・アークェットの出会いから、マフィア、LAPDそしてハリウッドの映画シンジケートという実に絶妙に銃社会を象徴する三つ巴の銃撃戦まで、特徴ある脚本が、タランティーノ自身や、ロバート・ロドリゲスとのコラボの時とはまた違う、スコット的なソフト・フォーカスとタイトなショットの組み合わされる異質の体験にも興奮させられる。
デニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンの息を呑む対峙、プロットの精神的支柱となるエルビス・プレスリーの影を演じるバル・キルマー、情容赦ないピンプのゲーリー・オールドマン、果てはあまりいい仕事をしているのを見たことのないブラッド・ピットにいたるまで、強い個性の俳優たちが見事最適な場所にはめ込まれているのもまた楽しい。
なお問題のラストシーンは脚本どおりの別バージョンも殆ど撮り終えていて、監督スコット自身が愛するこの二人にハッピーエンドを用意したいとのたっての願いで変更されたものが採用された。
90年代のハリウッドがなしえた最良のグランド・ページェントであり、華やかなお祭り映画として理屈ぬきで楽しめる。もちろん理屈ありなら更に何度も楽しめる。
そのなかでもタランティーノの脚本を得た本作は、上記したスコットの特徴とよくマッチした印象深い一本といえる。
デトロイトの場末の映画館で上映されるソニー・チバ主演「ストリート・ファイター」3本立てに絡まるコミックショップ店員クリスチャン・スレータと娼婦パトリシア・アークェットの出会いから、マフィア、LAPDそしてハリウッドの映画シンジケートという実に絶妙に銃社会を象徴する三つ巴の銃撃戦まで、特徴ある脚本が、タランティーノ自身や、ロバート・ロドリゲスとのコラボの時とはまた違う、スコット的なソフト・フォーカスとタイトなショットの組み合わされる異質の体験にも興奮させられる。
デニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンの息を呑む対峙、プロットの精神的支柱となるエルビス・プレスリーの影を演じるバル・キルマー、情容赦ないピンプのゲーリー・オールドマン、果てはあまりいい仕事をしているのを見たことのないブラッド・ピットにいたるまで、強い個性の俳優たちが見事最適な場所にはめ込まれているのもまた楽しい。
なお問題のラストシーンは脚本どおりの別バージョンも殆ど撮り終えていて、監督スコット自身が愛するこの二人にハッピーエンドを用意したいとのたっての願いで変更されたものが採用された。
90年代のハリウッドがなしえた最良のグランド・ページェントであり、華やかなお祭り映画として理屈ぬきで楽しめる。もちろん理屈ありなら更に何度も楽しめる。
トゥルー・ロマンス(ワイド) [VHS]
コールガールのアラバマと結婚した青年クラレンス。妻のヒモだった男をとっちめようと向かった先で「コーク」を手に入れたばかりに、話がおかしな方向へと転がり始める。役者をしている友人を訪ねてハリウッドへ逃走したクラレンスたちをマフィアが執拗に追ってきて…。
開巻一番、ソニー千葉が話題になるあたり、まさに「タランティーノ節」全開。全編を貫く徹底したバイオレンスに圧倒されることしきりなのだけれど、なぜか不快感が後に残らないという不思議な魅力を持った作品です。
パトリシア・アークェット演じるアラバマが、追っ手を返り討ちにする場面が実に圧巻。ライフルを振り上げて激しく泣き叫ぶ彼女の姿を真上からの俯瞰カメラで捉えた短いショットに心揺さぶれます。図らずも人を殺してしまったことへの深く悲しい悔悟。と同時に暴力に対して人間が本能的にもつ野生の快感。そうしたものがない交ぜになったあのショットは何度見ても痺れます。こういう演出が出来るのは、脚本が秀でているのか、役者が一枚も二枚も上手なのか、監督が手練れなのか。おそらくはその三位一体がなせるわざなのでしょう。邦画「ホワイトアウト」で松嶋菜々子が追っ手に向けて淡々と銃を放つあまりにお粗末な姿を目にしたときも、パトリシアの<魂が突き上げるような>あの激しい演技のことを思い出したものです。
主人公二人が将来Cancunへ行きたいと語り合う空港のシーンがありますが、字幕が「キャンクン」となっています。日本語吹き替えでは「カンクン」と言っていますが、そちらが正解。字幕担当者はカンクンという地名を耳にしたことがないようですね。「キャンクン」なんて一体どこのことを指しているのかと一瞬迷いました。ベルリンをバーリンと表記するようなものです。中途半端な字幕では、メキシコへの逃避行がこの空港の会話を受けたものであることが理解されないのではないでしょうか。
開巻一番、ソニー千葉が話題になるあたり、まさに「タランティーノ節」全開。全編を貫く徹底したバイオレンスに圧倒されることしきりなのだけれど、なぜか不快感が後に残らないという不思議な魅力を持った作品です。
パトリシア・アークェット演じるアラバマが、追っ手を返り討ちにする場面が実に圧巻。ライフルを振り上げて激しく泣き叫ぶ彼女の姿を真上からの俯瞰カメラで捉えた短いショットに心揺さぶれます。図らずも人を殺してしまったことへの深く悲しい悔悟。と同時に暴力に対して人間が本能的にもつ野生の快感。そうしたものがない交ぜになったあのショットは何度見ても痺れます。こういう演出が出来るのは、脚本が秀でているのか、役者が一枚も二枚も上手なのか、監督が手練れなのか。おそらくはその三位一体がなせるわざなのでしょう。邦画「ホワイトアウト」で松嶋菜々子が追っ手に向けて淡々と銃を放つあまりにお粗末な姿を目にしたときも、パトリシアの<魂が突き上げるような>あの激しい演技のことを思い出したものです。
主人公二人が将来Cancunへ行きたいと語り合う空港のシーンがありますが、字幕が「キャンクン」となっています。日本語吹き替えでは「カンクン」と言っていますが、そちらが正解。字幕担当者はカンクンという地名を耳にしたことがないようですね。「キャンクン」なんて一体どこのことを指しているのかと一瞬迷いました。ベルリンをバーリンと表記するようなものです。中途半端な字幕では、メキシコへの逃避行がこの空港の会話を受けたものであることが理解されないのではないでしょうか。
トゥルー・ロマンス [DVD]
よくまとまったロマンティック・バイオレンス映画でした。
犯罪ドラマなのに恋愛映画としても感情移入出来ます。
アラバマが自らの手を血に染めるショッキングなシーンも
『トゥルー・ロマンス』として観ている者を納得させてしまうところは見事!
タランティーノ節が好きな人の見所はなんといっても
クリストファー・ウォーケンとデニス・ホッパーの一騎打ち!
ここだけでも観る価値はあります(^.^)
犯罪ドラマなのに恋愛映画としても感情移入出来ます。
アラバマが自らの手を血に染めるショッキングなシーンも
『トゥルー・ロマンス』として観ている者を納得させてしまうところは見事!
タランティーノ節が好きな人の見所はなんといっても
クリストファー・ウォーケンとデニス・ホッパーの一騎打ち!
ここだけでも観る価値はあります(^.^)
トゥルー・ロマンス(字幕) [VHS]
クリスチャン・スレーターのファンならお気に入りの1作としてまず挙げるだろうという名作がついにブルーレイ化!しかもアメリカでは数年前にDVDでリリースされていた特典内容付き「ディレクターズカット版」での発売ということで、日本語版としては初公開となる特典盛りだくさんの内容!ちなみに製品情報にもある通り、本編内容はそのままです。(アメリカでは劇場公開時に暴力描写などの関係でシーンがカットされており、それを補完しての発売だったようです)
作品自体の感想は語りつくされているので割愛しますが、とにかく特典DVDの内容がファンには感涙モノで、中でも未公開シーン、特にタランティーノの脚本通りの結末映像は必見!またその結末に関して故トニー・スコット監督、そして結末を変えたことを当時激怒したというタランティーノの解説が入っているのも素晴らしい!
本編ブルーレイの監督、タランティーノ、そして主演のクリスチャン&パトリシア・アークエットの音声解説も必聴モノ!主演2人が撮影当時を懐かしみながら語る裏話や、若かった頃を回想する様子がファンには大変微笑ましかったです。(クリスチャンの肩の刺青や2人の子供についての話が出るので、音声解説の収録はアメリカでの発売の際に行われたもののようでです)
作品自体の感想は語りつくされているので割愛しますが、とにかく特典DVDの内容がファンには感涙モノで、中でも未公開シーン、特にタランティーノの脚本通りの結末映像は必見!またその結末に関して故トニー・スコット監督、そして結末を変えたことを当時激怒したというタランティーノの解説が入っているのも素晴らしい!
本編ブルーレイの監督、タランティーノ、そして主演のクリスチャン&パトリシア・アークエットの音声解説も必聴モノ!主演2人が撮影当時を懐かしみながら語る裏話や、若かった頃を回想する様子がファンには大変微笑ましかったです。(クリスチャンの肩の刺青や2人の子供についての話が出るので、音声解説の収録はアメリカでの発売の際に行われたもののようでです)