ヒッチコックに進路を取れ
いい加減に白状しないか!
いったい、お前はヒッチコックの映画で何が好きなんだ?
と、詰問されても困ってしまいます。
全53作品のうちのほとんどを見ているはずですが、『レベッカ』にするか『断崖』なのか、『逃走迷路』なのか『ダイヤルMを廻せ』か、『知りすぎていた男』か『北北西に進路を取れ』なのか・・・、もう切りがないからやめますが、ヒッチコックがいい、ヒッチコックがいい、と、私が読む本の大半が、そのすばらしさを吹聴してくれるものですから、小学生の頃から、彼がどの場面に顔を出してくるのかを捜す興味も手伝って、見まくりました。
見る前に読んだ和田誠の『お楽しみはこれからだ』も、見ながら読んだフランソワ・トリュフォーのインタビュー『ヒッチコック映画術』も、今から思えば他のどんなりっぱな映画論よりも、強烈にヒッチコック映画への愛に満ちていて、私をのめり込ました張本人としてみごとな確信犯でした。
それにしても、今また何故ヒッチコックなのか?
特に目新しい情報とか視点がある訳ではありませんが、今年が生誕110年ということもあり、それに最近のハリウッドでは日本映画やゲームのリメイクをするとかいった創造力の低下が気になる折、ヒッチコックの持つスリルとサスペンスとホラーにわたる豊かな創造性を再認識する意味でも貴重な本かもしれません。
そうじゃなくても、和田誠の痛快なイラスト満載で、山田宏一との軽妙な詳細にわたる対話が楽しくて、幾つかの作品はまた見てみたくなる気分にさせられるほど巧妙な語り口で、私ごときが、かつてファンでしたとはけっして口にできない、今でも大ファンのお二人の熱いメッセージが詰まっている本です。
記述日 : 2009年9月12日 11:55:12
いったい、お前はヒッチコックの映画で何が好きなんだ?
と、詰問されても困ってしまいます。
全53作品のうちのほとんどを見ているはずですが、『レベッカ』にするか『断崖』なのか、『逃走迷路』なのか『ダイヤルMを廻せ』か、『知りすぎていた男』か『北北西に進路を取れ』なのか・・・、もう切りがないからやめますが、ヒッチコックがいい、ヒッチコックがいい、と、私が読む本の大半が、そのすばらしさを吹聴してくれるものですから、小学生の頃から、彼がどの場面に顔を出してくるのかを捜す興味も手伝って、見まくりました。
見る前に読んだ和田誠の『お楽しみはこれからだ』も、見ながら読んだフランソワ・トリュフォーのインタビュー『ヒッチコック映画術』も、今から思えば他のどんなりっぱな映画論よりも、強烈にヒッチコック映画への愛に満ちていて、私をのめり込ました張本人としてみごとな確信犯でした。
それにしても、今また何故ヒッチコックなのか?
特に目新しい情報とか視点がある訳ではありませんが、今年が生誕110年ということもあり、それに最近のハリウッドでは日本映画やゲームのリメイクをするとかいった創造力の低下が気になる折、ヒッチコックの持つスリルとサスペンスとホラーにわたる豊かな創造性を再認識する意味でも貴重な本かもしれません。
そうじゃなくても、和田誠の痛快なイラスト満載で、山田宏一との軽妙な詳細にわたる対話が楽しくて、幾つかの作品はまた見てみたくなる気分にさせられるほど巧妙な語り口で、私ごときが、かつてファンでしたとはけっして口にできない、今でも大ファンのお二人の熱いメッセージが詰まっている本です。
記述日 : 2009年9月12日 11:55:12
引き裂かれたカーテン [DVD]
黒澤明監督の作品もそうだが、ヒッチコックの作品は、白黒映画の時代とカラー映画の時代で、作品の性格が、大きく変はって居る様に思はれる。ヒッチコック作品は、白黒作品の方が、緊張感が高く、映画としての完成度は高い。しかし、カラー作品も、もちろん、ヒッチコックの作品である。人物の性格の明確さ、物語の分かり易さ、そして、観る者をハラハラさせる展開は、この作品でも同じである。
この作品は、東ドイツを舞台にしたサスペンスである。(ヒッチコックは、この映画を撮影する為に、東ドイツを旅行したと聞く)西側の物理学者が、東側の軍事機密を盗み出す為に、東ドイツへの亡命を装い、東ドイツに入国して、東ドイツの科学者とじかに対面する。そして、東側の最高機密を黒板の前で議論をしながら聞き出した上で、西側に脱出すると言ふ、現実には考えられない話であるが、とにかく面白い。東ドイツと言ふ、「共産主義」国家をボロクソに描いて居る所が、痛快である。
冷戦時代、アメリカやイギリスでは、この様に、「共産主義」国家をボロクソに描く映画が作られ、「共産主義」国家が嘲笑されて居た。その事を知る為に、冷戦を知らない若い人達に、この映画をお薦めしたい。それに較べて、同じ冷戦時代、日本では、「共産主義」国家を嘲笑するサスペンス映画など作られた例が無い様に思ふのだが、これは、どうしてなのだろうか。
今からでも遅くない。誰かが、北朝鮮を舞台にした、こんなサスペンス映画を作ってくれない物だろうか。−−北朝鮮が崩壊する前に。
(西岡昌紀・内科医)
この作品は、東ドイツを舞台にしたサスペンスである。(ヒッチコックは、この映画を撮影する為に、東ドイツを旅行したと聞く)西側の物理学者が、東側の軍事機密を盗み出す為に、東ドイツへの亡命を装い、東ドイツに入国して、東ドイツの科学者とじかに対面する。そして、東側の最高機密を黒板の前で議論をしながら聞き出した上で、西側に脱出すると言ふ、現実には考えられない話であるが、とにかく面白い。東ドイツと言ふ、「共産主義」国家をボロクソに描いて居る所が、痛快である。
冷戦時代、アメリカやイギリスでは、この様に、「共産主義」国家をボロクソに描く映画が作られ、「共産主義」国家が嘲笑されて居た。その事を知る為に、冷戦を知らない若い人達に、この映画をお薦めしたい。それに較べて、同じ冷戦時代、日本では、「共産主義」国家を嘲笑するサスペンス映画など作られた例が無い様に思ふのだが、これは、どうしてなのだろうか。
今からでも遅くない。誰かが、北朝鮮を舞台にした、こんなサスペンス映画を作ってくれない物だろうか。−−北朝鮮が崩壊する前に。
(西岡昌紀・内科医)
ヒッチコック映画音楽集/「知りすぎた男」他
1996年作品、
バーナード・ハーマン作品をサロネン指揮、ロサンゼルス・フィル演奏でおくる映画音楽集、
この邦盤は品切れですが、輸入盤では通常に購入可能、検索はクラシック・ジャンルでsalonenと入力すれば見つかります、
本CDがちょっとポイント高いとすればサロネンがノーマン・ベイツになったつもりらしいジャケットでしょう、
バーナード・ハーマン作品をサロネン指揮、ロサンゼルス・フィル演奏でおくる映画音楽集、
この邦盤は品切れですが、輸入盤では通常に購入可能、検索はクラシック・ジャンルでsalonenと入力すれば見つかります、
本CDがちょっとポイント高いとすればサロネンがノーマン・ベイツになったつもりらしいジャケットでしょう、