1980X (紙ジャケット仕様)
前作「マラッカ」が1970年代へのトリビュート・アルバムなら、本作は80年代以降世紀末に向かって放たれた予言のような傑作、マラッカ・1980Xの2作がパンタのキャリアの頂点であることは誰も否定しようがないとおもう、
「ルイーズ」は世界初の試験管受精ベビーの名前、80年代以降繰り返し世間を騒がす「トリックスター」とマスコミ(パパラッチに代表される覗き趣味)の胡散臭さを歌う「モータードライブ」、より都市化され孤独を増す人々を歌う「トゥ・シューズ」「キック・ザ・シティ」、コンピュータ利用増大による管理社会をわらう「IDカード」、パンタの好きな内燃機関付個人用移動手段に社会を映す「Audi80」と「オートバイ」、
きわめつけは元号の変わる瞬間を歌った「臨時ニュース」と理不尽な暴力衝動を歌う「ナイフ」、さすがのパンタの想像力も昭和の終わりがあれほど粛々と訪れる事は予想できなかったわけだが、「ナイフ」で歌われた不気味さは逆に現在を見事に言い当ていて改めて感嘆してしまう、
「マラッカ」の熱帯の熱風が吹き荒れるような作風とは逆に、音の感触は全体的に冴え冴えしたものだが、なぜか私は真夏(や真冬)になると本作を思い出す、そしてなぜか頭の中で歌ってしまうのだ、もってけ泥棒ってね、
世紀末以降、男物スーツの基本になった三ボタン・ジャケット、二ボタンが主流だった当時においてはとてもマイナーな存在だったことは記憶すべき事柄、現在主流の細すぎるシルエットよりも本作ジャケットで使用されたもののほうが上品に見えるとおもう、
走れ熱いなら(紙ジャケット仕様)
頭脳警察の呪縛から離れて、パンタが新たな活動を模索していた当時の一枚。前作同様、山岸潤史やジョニー吉永といった錚々たるメンバーを従えてのロックン・ロールの数々。パンクやニューウェーブがもてはやされつつある時代ではあったが、タイトル曲や「あやつり人形」も良いが、スローなバラード「追憶のスーパースター」、「夜明けはまだ」も秀逸。この後、彼は「バンドの音が恋しくなり」(本人のインタビュー談)、パンタ&HALを結成しバンド活動に入る。HAL初期のライブでは前作及び本作からのナンバーが大半を占めていた。今日の数多あるJ-ロック・バンドに無いもの、忘れ去られたものが、ここには有る!!
健診でコレステロール・中性脂肪が高めですよと言われた人の本
はい、このタイトルにまさに該当するのが私です。「半年間禁酒して値を下げるように」と指示されてしまいました。あまりお酒は飲まないのに・・・。結局食事に気をつけ、運動量を増やすしかないようですね。
頭脳警察 1(ファースト)
現在でも日本のロック・シーンに影響を与え続けて
いる頭脳警察のファースト・アルバムで72年に発売
される予定だった作品です。
予定だったと言うのは過激な内容が原因で発売中止
となってしまったからです。
実際にリリースされたのは75年になってからのこと
(ただし自主制作で)でした。
後にバンド形態となる頭脳警察ですが、この頃は
まだパンタとトシの二人によるユニットでアコギと
パーカッションのみの演奏はティラノザウルス・レックスに
近い音楽性を持っていました。
しかし、パッションやメッセージ性は明らかにパンク
のさきがけと言えると思います。
正直、学園闘争を経験していない身で「世界革命戦争宣言」や
「赤軍兵士の詩」の意味を理解するのは難しいかもしれません。
それでも「銃をとれ」の熱さや「さようなら世界夫人よ」の
無力感は痛いほど伝わってきます。
このアルバムに批評や批判は無意味だと思います。
裸の歌を聴くか聴かないかあなたが判断するだけです。