体験ルポ 世界の高齢者福祉 (岩波新書)
筆者が老人ホームヘルパー体験を重ね、日本の老人福祉に疑問を持ち、スエーデンをはじめとして、世界各国でボランティアを体験しながらの体験ルポを1991年に発刊した本ですが、日本の老人福祉対策の問題点指摘は、残念ながら2011年になってもまだ解決されていません。これからの自分の老後はまだまだ充分でない日本の老人福祉対策に頼れないことを自覚させられました。
体験ルポ 日本の高齢者福祉 (岩波新書)
無惨な日本の福祉の現状が、悲しいほどに赤裸々に書かれています。
この本の発行から、10年経った今も状況はたいして変わっていないようです。
恐ろしいほどの現状に目を背けたくなる。
でもこの現状を知らない限り、前には進めないですよね。
そしてそこから抜けだす方法を探るために。
だから、本当につらい内容ですが皆さんにも、読んでいただきたいのです。
自然に老いて死にたいだけなのに、どうしてこんな悲惨な現状が待ってるのか。
人生は金だといいますが、少々のカネではどうにもならない、
悲しい老いの生活が待っている。
これを、よむことで漠然とした老後の不安が具体的になります。
そして具体的にそうならないように、対策を練っておけるでしょうね。
介護予防の重要性と、健康の重要性。病院は決して居心地の良い場所ではなく。
決して受け入れてくれる病院があるとは限らない。
そんな不安を漠然とさせるのではなく、具体的に書く事で解決して行きたい
という著者の真意が痛いほど伝わってきます。
良かったら元気なうちに、つらい現実を読んでみて下さい。
本当に何をして行けば良いかが、良く分かります。
現場は戦場のように、地獄絵図が見えてきます。
ウバステ山の老後を泣くさない限り、若者は元気になれませんものね。
グループホームの基礎知識
この本の良い所は、介護保険の知識が無くても簡単に読める点にあります。まとめ方も上手く、内容にも新鮮さがあります。
著者が自分でスェーデンを研修したり、多くの経験を元に記載されているため、説得力もあります。衆議院議員ですが、これだけの知識があるのは、立派です。
私の特に気に入った内容は、痴呆の方への接し方です。どうすれば、生きがい、人間としての尊厳を感じてもらえるか、しても具体的です。
欲を言えば、痴呆特有の行動に対しての種々の対応策があれば、なお良いと思います。