ミカるんX 8 (チャンピオンREDコミックス)
ミカるんX、最終巻になります。
とにかく面白かった!
悲劇に彩られた孤独な旅立ちになるかと思いきや、むしろある種の希望をはらんだ未来への旅立ちでした。かつて宇宙へ旅立つということは創作作品において希望に満ちたものであったはずです。そんな暖かな明るい未来の感触を抱きつつも、完結した次の頁では船団が全滅しているかもしれない。つまりサイコロを振ってみなければわからないからこそ未来であるのです。
人類が次のステージに立つ、というテーマは、SF作品ではしばし語られるテーマであり、また創作作品の袋小路にはまるテーマでもあります。なぜなら私たちは次のステージに立っていないので、次のステージを想像できないからです。
高遠先生は、作中で自問自答しています。人類を切ってソウルボイジャーとして生きるのか、人類とともに人類として死ぬのか。
その回答は「愛」……という名の他者への執着。バロムワンとかウルトラセブンと言った特撮系の「二人で一つ」の設定が、このように生かされるとは!
この人類の執着を、「愚かしいが神にも誇れる」とナレーション、つまりミカさんの親父、つまり高遠先生が語ります。ミカさんの親父が主役だったんですねー。
考えてみればソウルボイジャーという存在そのものが、進化の袋小路です。進化とともに個体数が減少し、ついには一人に成り果てたのがソウルボイジャーですから。そこから先がありません。
しかし他人に「愛」で執着し一人(孤独)でいることを良しとしない人類の愚かしさこそがいずれは宇宙に満ち満ちるかもしれない。進化の多様性を生み出し、なにより冷たい宇宙を少しは暖かくするかもしれない。無限に無定見に広がっていくしかない宇宙を内側から満たす秩序として。
上で書いたことは高遠先生がミカるんで描いたことを私が(誤解も含めながら)拙く読み解いたにすぎません。
こんなごたくよりも本書を読むGO!
ボアザン (シリウスコミックス)
この作品は微妙な作品です。
一言?で言えば「100%シリアス要素皆無の完全ギャグ漫画」となります。
一見シリアスに見える箇所が沢山あるかもしれませんが、それはギャグです。
作品解説も理路整然と書かれているように見えるかもしれませんが、やはり完璧なギャグです。
元々ギャグに見える箇所は超高度なミスリードです。
膨大な知識を持った作者が真剣に洋書の文献を紐解いた末に
肛門ではなく尿道よりひり出した
「せいいっぱいのうんこのダイヤモンドの結晶」
がこの作品と言えるでしょう。
鉄漫-TEKKEN COMIC- 1 (ヤングジャンプコミックス)
格闘ゲーム鉄拳6の漫画です。
キャラクターの設定はゲームと変わってたり変わってなかったり。
格闘シーンは流石と言うべきか。
たまに出てくるデフォルメされたキャラが可愛いです(笑)
飛鳥が主人公なので、飛鳥が好きなら買いですね。
ミカるんX 7 (チャンピオンREDコミックス)
具体的にどこが面白いかと突き詰めて考えると、ちょっと首をひねってしまうのは、きっと私が特撮が特には好きではないからだろう。
でも、お約束をすべて踏まえて行っているのが分かるのに、読み進めて感じる、この先が読めないわくわく感、高揚感は、何だろう。
読み進めるとその展開に驚くんだけど、捻りも引っかけもない、正攻法。
私のこの、この作品で感じるわくわく感は、いつまで続くんだろう。
作家さんの作品への盛り込み方が半端じゃないので、読み返しても面白いです。
鉄漫-TEKKEN COMIC- 2 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
正直に言えば高遠るいさんのファンでなければ買わなくてもいいような気もします(鉄拳のファンの人がどう読むかは、私はやってないのでわかりません)。だって最後のほうわけわかりませんもの。敵の大将の親父がサタン化したと思ったら当の大将もサタン化するし……。そのへんはゲームやってれば理解可能なのかもですが、漫画だけ読んでると意味さっぱりです。
それでも……高遠さんのファンなら買ってよしではないでしょうか。どこまでが原作設定なのかわかりませんが、たぶんここまで無茶苦茶で荒唐無稽ではないと思う(^^; そしてそここそが高遠漫画の真骨頂でファンをひきつけてやまないとこですからね! 高遠先生は、基本設定は練りこみつつも1話ごとに暴走すると言うか、前の1話よりも更に加速した熱とはったりを!と畳み掛けてしまう、なんというか1話完全燃焼主義!みたいな作家さんなんですね。
シンシア・ザ・ミッションは人気もあり長期連載できたこともあってきちっとまとまりましたが、SCAPE-GODなんかはたぶん打ち切りになったのでしょうけど最後のほうは暴走に次ぐ暴走で作品として崩壊するぎりぎりのところで「なんだかわからんがとにかくよし!」という感じで終わったというすばらしい玉砕漫画でした。高遠先生は玉砕することを厭わないんですね。
そういう作家さんですんで玉砕しようがうまくまとまろうが、高遠るいという作家の軌跡を味わうために私たちファンは描かれた作品はすべて読んでいきましょう! なぜならそのほうが楽しいから!