サンサーラ [DVD]
藤谷文子さんが出演しているので買ってみました。
内容も面白い!
最近観た映画の中でも一番面白いと思いました。
主人公がもう少しゆっくりと世界を巡れば言うことなしでした。
と言っても時間などの問題があるので仕方が無いんですけど
全体の雰囲気は「バグダッドカフェ」に近いところがあると思います。
あとはひたすらに主人公に憧れる映画です。
ハプニングや事件が無く平らな映画ですが、そこが最高なのです。
アクション映画が大好きな人には耐えられない内容かもしれません。
この映画を観て面白いと思った方には是非、庵野秀明監督の初実写映画「式日」がお勧めです。
classical ever!lullaby
「ever!」シリーズにすっかり嵌ってしまって、いろいろ買って聴いていますが、この「lullaby」もいいですね。落ち着くと言いますか、”癒し”そのものです。何しろ、子守唄ですからね。
このシリーズの嬉しいのは、音楽の時間に習ったようなお馴染みのクラシック曲とディズニー映画の「白雪姫」や「ピノキオ」等が実に気持ちよくなるような順番で並べられていて、いつの間にかお終いまで聞いてしまっているんですね。気楽にクラシック音楽が楽しめるように工夫されているのが素晴らしいです。クラシック音楽の音色と言うのは綺麗ですね。これを聴いていれば、いつのまにかクラシック・ファンになっていることでしょう。このシリーズは、本当に最高です。
ベスト・クラシック100 2
自身はクラシック初心者、というわけではありませんが手頃な値段でこれだけの楽曲が楽しめるということもあり購入いたしました。
低価格なので内容もそれなりと思いきや、演奏楽団がベルリン・フィル他有名なものばかりである上、指揮者陣も豪華なので聴きごたえはあります。
収録曲の殆どがポピュラーな曲なので、中には「ドラマのBGMとして流れていた」とか「CMで聴いたことがある」というものも沢山あります。
Disc1は特に親しみのある曲が多いので耳慣らしに
2は主に静かな楽曲なので癒されたいときに
3は恋愛に関する曲が多いので恋をしたいときに
4は様々な楽器が各曲のメインとなっているので楽器の面白さに触れたいときに
5は比較的暗い雰囲気の曲が多いので気分を落ち着かせたいときに
6は誰もが好む楽曲が多いので爽快な気分になりたいとき
6枚のディスクそれぞれに込められたテーマを感じつつ聴いてみると良いかもしれません。
あわただしい日々を送っている方、休息の一時にBGMとして選んでみてはいかがでしょうか。
フランク&ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
ギトリスはうまい。本当にうまい。自由自在にヴァイオリンを操り、誰も出さないような音を伸び伸びと響かせる。ほんのちょっと聞いただけでも、ギトリスの演奏だと分かる、そういう独特な音色。しかも、少しも奇をてらったふうでなく、自然に耳に入ってきてしまう。何たる妙技だ! ドビュッシーのソナタの最終楽章には正直しびれた。
ピアノのことは良く分からない。アルゲリッチの名前は有名だし聞いててうまいと思うが、彼女とルービンシュタインのどっちが好きかと聞かれると返答に窮する。どっちも、ヴァイオリン曲の伴奏を勤めるには大物すぎる気はする。でも、フランクもドビュッシーも、ピアノは最高にうまいと思う。
ヴァイオリン名曲集ア・ラ・カルト
どこをとってもイヴリー・ギトリスという濃密なショートピーシーズだ。それゆえ、こうしたアンコール有名曲を初めて聴く人には向かない。五嶋みどりでも諏訪内晶子でも、もっと凛とした正統派の演奏で聴いてからにしたほうがよい。そして、必ず最期にはギトリスを聴くべきなのである。チョン・キョンファの格調が高く別次元の小品集とは趣きが全く異なるが、地の底から這い出してくるような、なおかつ芸術的にはチョンと同格の演奏といえよう。
「歌の翼に」「美しきロスマリン」など、かつて聴いたこともない、ほとんどこの曲とも思えない濃厚さだ。後者はベルリオーズの『幻想交響曲』めいている。「亜麻色の髪の乙女」は幾らなんでもという粘着的な調べと怨念さえ漂う。絶対にこの演奏で最初に聴いてはいけないのがこの曲。
チャイコフスキーの「感傷的なワルツ」もよく聴いていると怖いところがある。マリーの「金婚式」はスタンダードに近いが、どこか底知れない闇のようなものを思わせもする。
白眉は、ドヴォルザークの「フモレスケ」と最後に入っている「ツィゴイネルワイゼン」だ。
ギトリスの調べには、長調のなかにさえ短調の絵の具が混じっている。しかも感傷的な愁いというよりは、放浪の悲愁、サーカスの哀愁、旅芸人の諧謔だ。彼は悲しがっているのではない。生まれたときから悲嘆やペーソスが身に染み付いているのだ。それが人生なのだと言わんばかりである。
「フモレスケ」は、テーマの揺れからして思わず耳を欹てるに十分。すでに哀しみがこもっている。これが短調のテーマ転じると荒涼とした地を彷徨えるギトリスその人を幻視させるかのようだ。ドヴォルザークの哀しみさえ。凄い音楽だと思わせる。本来何のことはない小品なのだが・・・。「ユーモアとは哀しみの一形式」であると言わんばかりに。
「ツィゴイネルワイゼン」はまさにギトリスのための音楽だ。ロマの歌。ユダヤ人ギトリスはロマたちの悲嘆を本能で感じているのか? その魂が深いところから響いてくる。ピチカートひとつが聴く者の心に突き刺さってくるのだ。
作品前半、ピアノソロが入ってきてやがてピアニッシモで奏される前半の終結へ向う部分などは、評すべき言葉もない。振幅、強弱いずれも厳しく、激しい。楽想は伸び縮みし、自由自在である。表現はほとんど悪魔的。後半のチャルダーシュなど不要と思わせるほどだ。
この曲はハイフェッツ盤が長らくベストとされてきたが、ギトリスを聴いてしまったらもうだめだ。麻薬的であり、あまりにも哀しくて、これを聴くだけでもどっと疲れてしまう。こんなに深い作品なのか? 同じユダヤ系でも、ハイフェッツとはまるで違う表現だ。これで見ても人種などは表現に関係はないとわかる。教育環境の違いなのだろうか?
繰り返すが、初心者には向かない。下手をすれば、これらの作品を嫌いになってしまう可能性だってある。よく聴いている人でも、この演奏は嫌いという人が結構多いのではないだろうか。