ロス:タイム:ライフ (親子篇) [DVD]
ガチでこれは『ロス:タイム:ライフ』シリーズ中の最高傑作。
シリーズをずっと追いかけて観てきたが、まさかの展開に、思わず感涙。
大体の連作ドラマというものは、作ればつくるほどパワーダウンしていくものだが、
回を重ねるごとに高くなる(特にTV版以降が、イイ!)完成度には、参る。
TV版第一話の瑛太も、最終話の大泉洋も越えた、こども店長の演技力に驚愕。
脇役のキャスティングやコネタのディティールも、凝りに凝っていて、
画面の隅々まで眺める楽しさもある。「神は細部に宿る」この手抜きの無さ!
ぶっちゃけ、20分強ではもったいない。尺が1時間でもいいぐらいだ。
しかも、ワールドカップイヤーのうちに観れば、なお愉快な気分になる仕掛けも。
……ただ、値段が高いのだけは、本当に勿体無い。
これはメーカーの猛省を促したいところ。
何を考えてこの価格設定をしたのか、全く理解に苦しむ。
PANIC FANCY(初回生産限定盤)(DVD付)
待望のORANGE RANGEの5枚目のオリジナルアルバム『PANIC FANCY』。
今作は『イカSUMMER』『イケナイ太陽』『君station』『O2』『シアワセネイロ』の5曲を含む15曲入りとなってます!
シングルも素敵な曲が多いですが、何よりも彼らはアルバム曲にしかない魅力があるのでは?
やりたい放題ながらもしっかりと聞かせる凝ったサウンド!
ロックもポップも彼ら(というかナオト?)が既出の材料で調理すれば、非常に不思議で素敵な曲が生まれます!
サビだけ聞いたのでは分からない魅力です!
あとは3MCが成長したかどうかが気になりますね。
ロス:タイム:ライフ Life in additionaltime [DVD]
もはや日本の民放の「ドラマ」という枠で、チャレンジングなことを
やるのは無理だと思われていた時期に、突如風穴をブチ開けた本作。
「死」をテーマにしながらも、サッカーの「ロスタイム」を隠し味に、
どこかしらカラッとしたユーモアがあふれているのは、自主制作時代から
このテーマを暖め続けていた筧監督のアイディアのなせる業だ。
1話完結だから、どこから見ても大丈夫。個人的には
なんとも言えぬ素敵な余韻を残す、第1話を推したい。
超高視聴率の『SP』の後番組ゆえ、不幸にも目立たなかったが、
こういう「アイディア先行」の作品がマトモに成立しないようになると、
日本のTVドラマ界はもっと酷いことになってしまう。
本来、長く語り継がれるべき「異色作」いや「名作」である。
フジテレビ系ドラマ オリジナルサウンドトラック「ロス:タイム:ライフ」
人生の無駄を精算するチャンスが与えられるドラマ「ロス:タイム:ライフ」のOST。
劇中の曲はほとんど収録されているので、ファンには買いの1枚だろう。
個人的に好きな曲は、オープニング、審判登場、Aidaの2バージョン。
他の曲も、焦燥感や安堵感を表現するには良い曲ばかりである。
しかしながら「極道の妻編」で使われた三味線風のアレンジ曲が収録されていないのが残念。
出来れば完全収録して欲しかったので、星4つ。
「スーパー名医」が医療を壊す (祥伝社新書187) (祥伝社新書 187)
関西の医師だから…という訳ではないだろうが、指導医もする現役内科医が、現実にあり得ない医療ドラマ、漫画の設定や場面をユーモアたっぷりにツッコみつつ、医師不足、医療過誤などの医療問題や、技か心か、自己犠牲などの医療倫理の問題について議論を展開させていく。
経歴を見ると、著者は一般向けの著書は初めてのようだが、文章は全く専門臭さを感じさせないこなれたものだ。また、「現役指導医から熱すぎる斎藤君(B・Jによろしく)へメッセージ」なんてウィットに富む記述から、指導医として体験した新研修制度問題の核心を突く指摘へ、淀みなく移っていく。昼はボランティア労働、夜は新人なのに当直バイトという旧制度での過酷な研修医の労働環境を改善しようと改正された新制度は、頼りないながらも戦力にしていた研修医を主治医はおろか点滴もできない、完全なお客さんにすることで、指導医は日常業務と研修医への指導の上、研修医がしていた雑用まで加わり、多忙に拍車がかかった、という。新型インフルの優先接種は、指導医より研修医が先なんていうのを聞くともはや…本末転倒である。医療ものの「ここがおかしい」という時も逐一実際のエピソードを例示し、合理的である理由も添えているので、なぜおかしいのか、納得もしやすい。
最後の方で、「医師性悪説」の代表的な批判について、少し反論をしているが、これだけ面白い文章を書けるなら、現場を知らない医療批判の批判も期待できる。第二弾でもっと、こってりやってほしい。