1975年、松竹が当時ヒットした歌謡曲にかけて製作した作品ですが、中身は刑事事件を取り巻く兄妹の愛憎劇です。何しろ脚本は新藤兼人、撮影は川又昂(新宿の繁華街や安アパート群の中を走り回るカメラが素晴らしい!)ですから、作品の格が違います!鈴木瑞穂の平刑事がいいです!松本清張の作品と共に、野村芳太郎監督の代表作だと思います。当時31歳の高橋英樹が若々しく、今とは全く別人ですが、当時20歳だった初々しい秋吉久美子との近親相姦的な関係が非常にリアルでした。お勧めの作品です!
昭和枯れすすきおすすめ度
★★★★★
映画が公開された時、劇場で見た。野村監督が以前より映画化したかった作品だということだったが、映画化できず、昭和枯れすすきというヒット曲をタイトルにしてやっと映画化ができたということを事前に聞いて、それならと、見た記憶がある。映画は素晴らしい出来だった。タイトルで歌謡曲映画として扱われることは、この映画を埋もれさすことになった。秋吉久美子の魅力が満ち溢れた小傑作である。高橋英樹も好演で「けんかえれじい」に次ぐ作品として位置付けられよう。それにしても、タイトルは大事だね。当時、会社の同僚にこの映画のことを話したが、まったく相手にされなかったことを思い出す。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
大変良く出来ています
。他の方がコメントされているとおり、
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。
概要
新宿署のヒラ刑事・原田(高橋英樹)は妹の典子(秋吉久美子)とふたり暮らし。しかし真面目な兄に対して妹はやさぐれていて、専門学校も勝手に辞めてしまった。そんなある日、典子とつきあっているチンピラの吉浦(下條アトム)が殺された。その現場には典子のネックレスが残されていた……。
結城昌治の『ヤクザな妹』を原作に、当時大ヒットしていた同題歌謡曲を要所に流しながら繰り広げられていく兄妹のやるせない愛憎劇。名匠・野村芳太郎監督は、殺人事件のミステリサスペンスとしての要素もさながら、繊細な市井のヒューマンドラマとして本作を見事に構築。新宿の繁華街をリアルに活写した川又昂のキャメラも素晴らしい効果を上げている。小品ながら見逃せない秀作。それにしても、秋吉久美子は本当に小悪魔的で可愛い。(的田也寸志)