ダンスに詳しくなくても、映画が大好きな人へおすすめ度
★★★★★
私は映画は大好きですが、ダンスには詳しくありません。それでも、この作品の美しさには打ちのめされました。
心を揺さぶるダンスの素晴らしさ、鍛え抜かれたダンサーの肉体、華麗なコスチューム……それだけではないのです。ダンスそのものと踊る人、ダンスを愛する人生──仮にそこに悲しみや絶望があったとしても──を、これまたダンスに重ね合わせ、いかに美しく見せるか。サウラは一瞬たりとも気を抜くことなく、この作品でやってのけました。
舞台装置を変える様子、光と影の中に鮮烈に浮かぶ原色、子どもたちの笑顔……ここまで「無駄なシーンがまったくない作品」を観たことがありません。どのシーンも、作品を完全なものにするための「必要不可欠な美」として用意されているのです。ライブステージではなく、あくまでも映画なんだということをわかっている真の監督だと感じました。
「ダンスのことはよくわからないから」「芸術とは〜なんてコムズカシイことをつきつけられる映画はイヤ」……「でも、美しいものは大好き」と思っている人に観てほしいです。SFXやCGで作られたものではなく、ありのままの自然をただ映したのでもなく、人間(ダンサーと監督)の技術と感性が産み出した圧倒的な美に酔い痴れてください。
プロのタンゴダンサー達が織り成す、躍動と調和が美しいおすすめ度
★★★★★
舞台タンゴショーの演出家とダンサーたちの物語。プロのタンゴダンサー達が織り成す、躍動と調和が美しい。
劇中で登場するダンサーもほとんどがプロのタンゴダンサーで、とくに振り付けしがダンサーに振り付けをしているシーンでは、ダンサーたちが一度の振り付けで一斉におどりだす。そのシーンはなんとも圧巻。プロの現場とはこういうものなのかというのを見せ付けられる。
また、風景描写が美しい。夕焼けをバックに人物の横顔を写すシーンは、人物のこれまで進んできた道からこぼれ出る情熱と哀愁を漂わせる。
納得の出来
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
。ファンなら買って間違いなく損のない品ですね。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。
概要
舞台はブエノスアイレス。タンゴをモチーフとした映画を製作するため、オーディションを開始したばかりの映画監督マリオ(ミゲル・アンヘル・ソラ)の前に美しいダンサー、エレーナ(ミア・マエストロ)が現れる。彼女は映画のスポンサー、アンヘロの愛人だったが、レッスンを重ねるうちに、マリオとエレーナは恋に落ちていく…。
スペイン映画界の名匠カルロス・サウラ監督による情熱的な恋とアルゼンチン・タンゴの踊りが、魅惑的かつ官能的に描かれていくラブストーリー。撮影に『地獄の黙示録』のヴィットリオ・ストラーロ、音楽に『燃えよドラゴン』のラロ・シフリンといった異才が揃えられているのが妙味。色鮮やかな映像美と音楽の華麗な融合が、観る者をひとときの陶酔へといざなう秀作。(的田也寸志)