転職は「元力士」に学びなさい コネなし、未経験でも成功する35の掟
「元力士」から想像できること、それは相撲、プロスポーツ、日本文化を背負う・・・という特別な世界にいた特別な人々。そして、書かれている物語はきっとテレビドラマかなにかのように特殊な世界の成功秘話・・・・。これらの「期待」はあっさりと裏切られます。大相撲ダイジェストの連載を愛読されていた方なら、「あのライターがあの連載をまとめ上げ、ついに自分のことを語りだしたか」とちょっとした謎が解けたような快感もあることでしょう。
まずは通読した感想を。ここで不思議な感触を覚える読者は少なくないはずです。著者は女性。タイトルは元力士のその後。それなのに書いている内容は、著者自身の仕事と活躍、それらと相撲との関わりです。その読後感は自己啓発本に近いものと感じられました。そういう先入観を持って読んだせいもあったかもしれません。「転職・天職を考えるなら、こんなふうに自分磨きをするのよ」と。でも、引っかかるものがありました。それは「35の掟」。単に自己啓発本なのだとしたら、著者(他人)がつくった掟に自分が共感できたり、「きっとそうしよう」と思うのは数個のはずです。なのに「35の掟」。どれもこれもぶれることなく琴線にふれ、「どういう順序でクリアしていこうか?」「自分ならどんな組み合わせで掟を活用するだろうか?」。こうなると通読どころではなくなります。
さて、二度目読み。一気に二度も読ませる本はそうそうありません。さすがデーモン閣下が「ちゃんこ鍋」とおっしゃるだけあります(多種・多彩!)。35の掟は相撲の決まり手数には及びませんが、きっと「NIPPONビジネス35手」とだれもが認める日が来るでしょう。そう、やはりこれは天職を求め、見つけるためのビジネス書です。では、私はなぜ最初の読後、ビジネス書と判別できなかったのでしょうか?それは、従来のビジネス書が著者の活動・活躍のほんの一部分を切り取って、「方法論」としてブラッシュアップしたものだからではないでしょうか?
つまり、ビジネス本の主役は、著者でもそこに出てくる人物でもなく、「切り取られた抽象論=「方法論」がいかに目新しいか、であると考えます。ビジネス・モデルとはそういうものであり、それを表現するのがビジネス書であるという思い込みが私に限らずあるのではないでしょうか? これに対し、本書は、著者自身の経験、元力士の経験・経歴をたどりつつも、それに終始することなく、「人物の全体像」を描き出すことを一番に優先し、そこからいかに本質を見出すかに腐心しています。ここに、アタラシイ「ビジネスモデルの表現方法」を感じています。そこにはもはや「分断された」ものはひとつもなく、一人のヒトの中に蓄積され、組み合わされ、統合された職業モデルがあるばかりです。それが「ちゃんこ鍋」の意味なのでしょう。
ちゃんこ鍋の具材は多種多様と聞きます。味付けも相撲部屋ごとに、作り手ごとに特長があり、かつ変化すると聞きます。著者が、「新しい具材」を見つけ、調べ、試して自分のモノにし、さらなる進化を遂げてのち、また新たな地平に立ってビジネスモデルを世に問うてくれる日が楽しみです。
BACK STAGE OF 聖飢魔Ⅱ~ウラビデオ~ [VHS]
解散前のツアーから最後のミサの最後の瞬間までを
バックステージから見つめるスタッフの視点からの
作品となっています。エース宗にはドキドキの
長官お着替えシーンがあり、お勧めの一本です。
GIRLS' ROCK ~Tiara~
カバーアルバムってオリジナルを超えるケースは少ない。
トリビュートとか呼び方を変えて機材が最新の物になり、曲調も現代的にアレンジして、歌唱力その他オリジナルより技術的に上でも大抵の場合オリジナルの楽曲に思い入れがあって「どうなってるんだろう?」という興味本位で聞く場合が多いから一層がっかりするケースが多い。
で、このアルバム。
デーモン閣下には「蝋人形の館」か相撲のコメンテーターみたいなイメージがあったのですが聞いて驚きました。
オリジナル曲の大半を知っていますが、オリジナルとは全く別次元で吸収され昇華した違う曲になっている。
男性が代弁する女性の気持ちではなく男性でも女性でもない(そもそも悪魔?)のデーモン小暮が曲そのものを歌い込んでいて思ったより遙かに感動しました。
トリビュート曲に良くある男性曲を女性キーに合わせて迫力が失われるとか逆の女性キーを男性キーにしたが為に透明感や儚さが喪われるといった弊害が本作には見受けられません。
そもそも女性が歌っていた曲だから女性ににじり寄る必要なんてないのだと証明して見せてくれました。
中島みゆきさん結構好きなアーティストですが、こっちのバージョンの方がいいかもと感じています。
同様の女性ものカバーを三部続けておられますが圧倒的にこなれてきた本作がクオリティも高くて(個人的な選曲の善し悪しを除けば)お勧めです。
デーモン閣下のファンではない人で純粋にいい歌を聴きたいなという方にこそお勧めできます。
GIRLS’ROCK
ナリや言動はともかく、正統派ヘヴィメタルヴォーカルとして第一線を歩いて来た「閣下」の高音域をいかんなく発揮した面白い一枚。
女性としては低音のロックミュージシャンをカバーしているだけに無理無く「自分のモノ」にしているし、『グガギガゴガゲガ♪』のヘビメタアレンジで雰囲気も違って聞こえるから不思議。
三十代中盤より上の人には懐かしく、若い人には新鮮な「歌謡ヘヴィメタル」と言える。
英語、日本語とも発音が非常にしっかりしているので、マイレボリューションや翼の折れたエンジェルは歌詞までよく噛み締められてイイ!
聖飢魔'Uを知らない人でも、相撲中継から閣下に興味を持った人でも、聞いてソンは無いと思う。w