George Duke
「シーフインザナイト」に続く86年発表の傑作、タイトルに自分の名前を持ってくるほどの自信作で、万人受けする売れる作品を完成させた自信を感じさせる内容だ。前作は良い曲と印象に残らない曲の差が大きかったが、本作は全曲が水準以上の出来で、最後まで気が抜けない。3曲目はデニスウイリアムズなどの豊富な人脈を生かしたデューク版「ウイアーザワールド」で、他にも「メイクイットベター」などデュエット曲が秀逸である、ラストの「アフリカンバイオレッド」は70年代のデューク復活といった感じで、音楽的な懐の深さと巧みさが感じられる。この作品以降は本来の持ち味のファンク寄りの作品になってしまい、売れ線ポップ色は薄れていく。
ミュージック、マティーニ&メモリーズ
1954年に録音され、全12曲収録されています。何れもD・エリントン、R・マックスウエル、G・ガーシュイン、I・バーリン、V・ヤング等著名な作曲家の曲で、殆どがスタンダード・ナンバーです。
何れの曲もジャズというより、スローなテンポで演奏され、ロマンティックなムード・ミュージックといった方が相応しいかも知れません。そういえば私の小さい時(1955年〜1960年)にはこんな曲がよくヒットしていたように思います。私の父もグレン・ミラー、エドモンドロス(ラテン)、リカルドサントス、ウエルナー・ミュラー等をよく聞いていました。
どの曲も大同小異ですが、やはり聞きものは、B・ハケットのトランペットでしょうか!!何れも甘いムードのオーケストラの後、彼のソロがフィーチャーされます。暖かくリリカルで、澄んだ音色のトランペットで、軽やかにスイングし、適度なアドリブもあり、中々聞かせます。ホテルのラウンジ等でこんな曲がかかっていたら、おう、やるなときっと感じさせるでしょう。
私は自宅でブランディーを嗜みながら(焼酎だろう)このアルバムを聴いています。
なお、ジャケット写真も中々の出来です。こんどオリジナル・アルバム探してみよう!!
ジャズ・フォー・ジャパン~東日本大震災被災者支援CD~
東日本大震災を心から応援したいという想いがなければこれだけのメンバーが一堂に会することはなかったのではないかというくらい、このCDには豪華なメンバーが揃っています。現在のジャズ界を牽引する一流のアーティストたちが急遽集まって本気を出したらこういう演奏ができるのだということが分かりました。
Live Tokyo Japan 1983 [DVD] [Import]
こんな映像があったなんてまったく知りませんでした。しかもその会場となっているのは渋谷公会堂で、日本人オーディエンスがステージに上がって一緒に歌ったり踊ったりしています。ケースの中には当時のポスターの縮小レプリカまで入っていました。なんだか不思議な気分になります。その昔、重たいうねるようなブラックな音を求めて六本木のembassy等に日参していた私としては、「Sweet Baby」路線よりも、是非とも「Dukey Stick」や「Reach For It」のライブを見てみたかったのが正直なところ。当時「Master Of The Game」も愛聴していた私にとっては、なんといっても「I Want For My Self」が大好きです。内容としては「キーボードをあんなふうに演奏してあの音を出していたのかァ。」と感心出来る事と、ブラ・ジョンのルイス・ジョンソンの元気のいいビョンビョンチョッパーベースが堪能できる事が得した気分になれます。
カム・トゥゲザー(セイヴ・ザ・カントリー)
1970年の作品。フランク・ザッパと共演してた時期でもあり、もうちょっとはじけた演奏を期待しすぎてしまった。お行儀良くまとまった感じで強い印象は残らない。とは言え「ジャズロック」「クロスオーバー」な時代の雰囲気は私好みなので決して悪くない。 正確には★3.5と付けたいところ。
ジョージ・デューク (p,el-p), ジェイ・グレイドン (g), アーニー・ワッツ (ts,fl), ジェイ・ダヴァーサ (tp), チャールズ・フィントリー (tp), グレン・フェリス (tp), ジョン・ハード (b), リチャード・バーク (ds), アーニー・タック (ds)