69 sixty nine (集英社文庫)
時代は1969年。ヒッピー達が愛と平和を叫んだ時代。
九州の西の端の米軍基地のある街。頭のイカれた元同級生は黒人兵とのセックスに励み、教師達は意味も無く威張っていた。
主人公矢崎と親友のアダマ。
矢崎はカミュ、ヘッセ、大江健三郎の小説とニーチェとランボーの詩をこよなく愛する真面目な少年である。
と言うのは嘘で、県内各校の美少女率に博識なお調子者。
アダマは炭坑町育ちの実務家で美少年。
これは楽しい小説であり、「楽しく生きない事は罪である。」と言う作者の思想が詰まっている。
楽しい生活は人類から無駄な理性を奪ってくれる事だろう。