レコード芸術 2009年 03月号 [雑誌]
日本国内盤は高いのですが、海外盤は同じ内容でも安価に手に入ります。
本誌の特集ではその紹介がなされています。
はっきり言って、レコード芸術は私は海外版のページしか興味が無いのですが、それがこの号では特集しています。
入手方法を含めた紹介記事など読んでおいて損の無い内容だと思います。
ショパン:ワルツ集
ショパンの華やかで宮廷的なワルツと
内省的な、瞑想的なワルツとの弾き分けが
実に見事で、それだけでも物凄い才能を感じる。
実は一曲目の「華麗なる大円舞曲」は、技巧に走りすぎたり、
せわしなく、自慢するような大仰な演奏が多くて
曲そのものもちっとも好きじゃないにもかかわらず
アリスの作品をしっかり丁寧に弾こうとする姿勢が
感じられてとても好感が持てた。
また、短調作品に代表される、ショパンの心の叫びや
精神の葛藤などが感じられる演奏は、一音一音、
確かめるよう、慈しむようにまるで語られるように弾く
細やかな演奏が絶品である。
ボーナスで入っているノクターンがこれが一段と
すばらしく、この一曲ですごく得した気分。
ほんとうに、この人 こんな演奏できるのに、
まだ若いんだよね。
このまま、成長続けて欲しいな。
今後の活躍も期待しています。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番<ワルトシュタイン>他
CDを出す度に演奏が成熟していくのを実感します。自分の感性をしっかり音に表現出来る演奏家は本物です。それに加えて新しい時代のワルトシュタインを感じ取れるのは彼女の若いエネルギーからでしょうか?
ますます楽しみなピアニストです。
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
彼女のソロは好きで、このアルバムも予約して買ったんだけれど、正直言ってあまりよい出来とは思えない。リストの方はいいんだけれど、チャイコフスキーの方が、どうにもピアノの印象が薄くて。遠慮して弾いているように聞こえる。ぼくはクラシックに疎いからかなと思って、マルタ・アルゲリッチの30歳前後のときのも買って比べてみたけれど、やはりアリスのピアノは控えめに過ぎる。もっと大胆でいいのではないかと思う。ちょっと残念なアルバム。