切断の異學
このアルバムの中に収録されている「切断ダリア」はプロモをみるのも良し!音楽だけで聴くのも良し!の逸品の1曲!^^/ 「丸尾末広」のインパクトのあるジャケットも魅力であるが「合唱部」こと「月影美歌と異鏡朱音」の二人のコーラスは絶品!バックコーラスも楽器の一部であることを再認識させられました^^;自他ともに認める「色物」ではありますがメンバーのテクニックにも注目!好き嫌いはあるけれど中毒になる可能性は大かも^^; 山本‘洋楽バカ‘圭亮
少女椿
一見するとエログロナンセンスな作家に思われがちな丸尾末広。
もちろんこの作品にもグロテスクな描写がある。苦手な人は苦手かもしれない。
しかし、この本の本質はそこではない。
物語の悲劇性。絵のシュールさ。クライマックスの恐怖。
この3つに満たされた少女の悲しくて儚くて切なくて悲しいお話。「グランギニョール」
そしてワンダー正光の見せ場での言葉の真意を書き出す作者の能力はすばらしい。
私はクライマックスの光景(みどりの…)に恐怖した。あれほど自分の立っていた地面が崩れた瞬間を目にしたみどりの恐怖を絵に表した作者は天才かもしれない。
芋虫 (BEAM COMIX)
淫靡で妖しくて、それでいて美しい世界…
やはり丸尾末広という人は、読者の期待を裏切りません。
この話を、他の誰が画にする事が出来るだろうか…
手も足も、声も視界さえも失った夫の「許す」という伝言には、胸が締め付けられる思いでした。
くだらない作品が蔓延る昨今、いろんな人達に丸尾末広の作品を読んでもらいたい…
瓶詰の地獄 (ビームコミックス)
2010年から2012年に月刊コミック・ビーム誌に散発掲載された短編集です。
鬼才丸尾末広氏はデビュー当時から昭和初期の小説やビジュアルの影響が強い美麗・頽廃的作風が印象的でしたが、本作も全てその路線です。
・瓶詰の地獄
丸尾氏には珍しく陽光降り注ぐ南の孤島を舞台としながらダブルイメージの技法を駆使した死の隠喩に圧倒されます。
あからさまに仄めかされている兄妹の秘密もそのものズバリは描かれていません。
しかし実に背徳的です。
・聖アントワーヌの誘惑。
本書内では一番コミカルな短編。
丸尾氏が好きな「聖アントワーヌを題材とした絵画のベスト5」が記載されています。
氏の選からは漏れましたが世田谷美術館蔵の素朴派アンドレ・ボーシャン作の物は実に可愛いので機会が有ればご覧下さい。
・黄金餅
古今亭志ん生の名演で知られるブラック・ユーモア的落語を原作としています。
過去作の「無神経かさねが淵」と同傾向の作品で美しい容貌を持ちながらも因業な登場人物達の描写に丸尾氏の面目躍如たるものが御座います。
・かわいそうな姉
作者オリジナルの昭和初期を舞台とした作品。
薄倖の少女が春をひさぎながらも障害の有る弟の為に健気に生きる様子を高畠華宵に影響を受けた美麗な筆致で描いています。
全く救いの無い結末共々、可哀想さの博覧会的な作品。
後半3篇には華麗ながらも現在の作品では珍しい貧しさから来る人々の殺伐とした様子、簡単に身を売る子供、障害の有る者に対する差別・搾取等、迫真の描写が多く、印象的です。
表紙の絵を見て「かわいそうな姉」を読むとキャラクター・デザインの差に驚くと思います。
シュールレアリスム、ドイツ表現主義、大正ロマン等、古今東西の名画を含む様々な映像作品に対するオマージュや死とエロティシズム双方が強くが感じられる唯一無比の作風です。
氏のファンの方、強烈なビジュアル・イメージがお好きな方には大いにお薦めです。
How to Take a Japanese Bath
外国人の方が、日本の風呂に入る際に戸惑わないように制作されたマニュアル本のようです。
私は丸尾末広のファンなので買ってしまいました。
内容は全文英語。簡単な英語なのでそれほど苦にはなりません。
40ページほどの薄い本で、2ページ1章で全12章です。
片面に英文が入り、対面に丸尾末広のイラストが入ります。
丸尾末広のイラストは計12点と言う事になります。
もちろん、丸尾末広とはいえ、エロやグロはないのでご安心ください。
主人公は男性ですし、局部描写も血も出ません。
単に、大正ロマン風の絵柄として選ばれたようです。
英文の内容は、家で風呂に入りたいな。と思うところから始まり、
持ち物、掛かり湯をはじめとする湯を使う礼儀作法、湯の中で宇宙を感じる事、
内湯などのさまざまなお風呂など、銭湯のマナーを知らない若者が一度読んでも良い本かもしれません。
近頃は外国人の方が、よく勉強していて、箸の使い方など日本人より上手い時があります。
家のシャワーになれた若者は、外国人に笑われないように、一読する事も必要なのかもしれませんね。