壺霊 上 (カドカワ・エンタテインメント)
以前と較べると、何となくわざとらしいというか?少し違和感を感じていた浅見光彦シリーズであったが、本書はしっくりきている。
というと、諸々の諸氏に怒鳴られそうだが、しかしながらこれが私の所感なのである。
しかしながら、本書はワクワクしながら読んでいる。もちろん相変わらずの美女たちに囲まれた設定には変わりないのだが、それにしても今回は期待を抱かせずにはいられない展開に出会い、満足している。
下巻に期待しています。
風のなかの櫻香
内田さんの新作で、早速読破。今、人気の奈良を舞台に、中宮寺をモデルに、尼さんの知られざる(?)生活や、人生観を垣間見ることができます。ヒロインの櫻香さんの、清楚でストイックな雰囲気も、大変魅力的。ただ・・・、今回は犯罪が起こる必然性が弱いと思うのです。誘拐なんて、動機も変だし、茶番劇もいいところです。登場人物が皆、何かと関係がありすぎるのも、ちょっとね・・って感じでしょうか。奈良の魅力は伝わってきました。
教室の亡霊 (C・NOVELS)
内田康夫さんの本は95%読んでいます。
その中での本書は 浅見光彦ファンが求める 旅情ミステリー 推理小説としては 星2つです。
さほど 舞台となる土地について書き込んでもありませんし、犯人は直ぐにわかるし トリックはないし・・・
でも 中学生の息子を持つ親として感じる 現在の学校の問題点や現状 先生方の苦悩を、一部ではありますが よく表現してあると思います。
馴染みやすい推理小説の形を借りた、内田先生なりの問題提起の書だと理解しました。
黄泉から来た女
浅見光彦シリーズが好きなのと、物語の舞台が地元だったので購入しました。いつもながら、地域の歴史や風土など、大変よく取材されていて、物語の進行だけでなく細かい描写も楽しく読ませていただきました。テーマがテーマだけにちょっと全体的に暗い感じはしますし、最後まで読んでも「スッキリ」という感じはしないかもしれませんが…やっぱり私は内田先生が好きなので、大変満足しています。
ドラマCD 浅見光彦シリーズ「後鳥羽伝説殺人事件」
原作小説は勿論、2時間ドラマでもお馴染み?の「浅見光彦シリーズ」ドラマCDです。
全体の感想としては、面白く聴くことができました。
ドラマCD化にあたって変に脚色されている部分もなく、原作好きとしても及第点ではないかと。
(それが転じて、全体的に派手さがなく淡々としているという悪い点になる気もしますが)
収録時間は計78分です。キャストトークやおまけはありません。
小説1冊を78分にまとめているので、展開は駆け足です。
ただし、駆け足ではあるのですが、ストーリー全体を圧縮して聞かせるのではなく
“要所の場面は抜き出してそこはきちんと描き、そうでない場面はナレーションで済ます”
という手法がとられており、不思議と場面場面の聞き応えはありました。
声優さんはどの方もイメージぴったりでした。原作の雰囲気を壊していません。
浅見光彦(CV羽多野さん)は、滲み出る育ちの良さや事件に首を突っ込む様、母には弱いところも原作ままでしたし
野上刑事(CV小西さん)は、あの実直な人柄がよく伝わってきました。
個人的には、若手刑事の石川(CV野島さん)がなかなかに良かったなーと思いました。
星四つ付けましたが、それは私が原作既読で元々好きだったからかも…
少なくとも、TVドラマなどで「浅見光彦シリーズ」をなんとなくでも
知っていた方が楽しめるのかなと思いました。