愛情物語 [DVD]
当時タイロン・パワーとキム・ノヴァクといえば絶世の美男美女でした。
この二人が実在のピアニストの悲劇を演じて女性達の紅涙を絞りました。
夫婦の愛情、親子の愛情を描いた典型的なメロドラマ仕立てと言えます。
主人公はピアニストととして成功しますが最愛の妻を亡くし、第二次大戦でひたすら海軍で戦います。
戦後忘れ形見の息子を通して立ち直り、再び演奏活動も成功していきます。
愛する女性を得て再婚を考えますが自身が白血病にかかっていることを知ります。
全編に流れるカルメン・キャヴァレロのピアノ演奏がすばらしいです。
大好きだったキム・ノヴァクが前半で登場しなくなるのがちょっと残念でした。
愛情物語 [DVD]
ピアニスト、エディ・デューチンの成功物語と晩年までの生涯を描いた映画「愛情物語」。
エディ・デューチンが乗り移ったようなタイロン・パワーの指捌き、美貌のハリウッド女優キム・ノヴァクの圧倒的存在感、、脇役ながら
ルー役のジェームズ・ホイットモアの演技の素晴らしさ、そして、息子ピーター役のレックス・トンプソンの演技が光ります。
この映画の中で感動場面は多いのですが、ボストンからニューヨークに上京したデューチンが資産家の令嬢マージョリーと出会った際に、
「成功して〜里帰りし、父に『もう働かなくていいよ』と言うんだ。」と純真な夢を語る場面では、故郷を離れる時の自分自身とオーバーラ
ップし思わずホロリとしてしまいました。
また、従軍中、占領地の孤児と一緒に焼け焦げたピアノを連弾するうちに心が離れていた息子への愛情を取り戻す場面や、セントラル・パ
ーク・カジノの跡地の公園で息子に死期を告白する場面には胸が締め付けられそうです。
デューチン没後、息子のピーターはどうなったのか気になるところです。
全編、カーメン・キャバレロの吹き替えによるピアノを中心とした曲が流れますが、ショパンの夜想曲2番変ホ長調をアレンジした「To
Love Again」「マンハッタン」「満月の輝き」「君はわがもの」「ささやき」「ディジー・フィンガーズ」「君はわがすべて」
「明るい表通りで」「バラ色の人生」、そして、ラテン音楽の「ブラジル」が素晴らしい演奏です。
また、1956年公開の映画ですが、テクニカラーによる映像が美しく素晴らしい。