フランプトン・カムズ・アライヴ!
ASIN: B000026H0N
1CDとなっており,リマスター盤かと期待(安かったので)して購入しましたが,リマスターされていない10曲入りのCDでした。それはそれで楽しめますが,リマスター盤の1CDかbonus track入りのanniversary editionを購入することをお薦めします。
ライブ・イン・デトロイト [VHS]
this concert is really amazing, cowboys,geishas,gangsta's,ninjas
and latino dancers. this is one of the most amazing concerts I have ever seen
Frampton Comes Alive
Peter Framptonはソロとして4枚のアルバムを発表し、それぞれ数十万枚を売るそこそこの成功を収めていましたが、このライブ盤で一気にブレイクし、当時米国だけで1年間に800万枚(2枚組なので正確には”400万枚”以上)売れました。
ファーストシングルのDisc1・4(2台の12弦アコーステイックギターがとても美しい)の大ヒット後、Disc1・3、Disc2・3もスマッシュヒットして、ロードも続けたことでアルバムは結局1年以上チャートイン。
イントロにすぐ反応する観客の様子と、迷いのない演奏から、それまでにこつこととロードを積み重ねて、少しずつアルバムを売りながら、叩き上げてきたことが想像されます。
Peterの音楽はとても親しみやすいメロデイーと端正なギターソロが特徴です。ロックとしては、声質も含めてやさしすぎるくらいですが、それを力強い楽曲にしているのは、技量の高いバックメンバーに負うところが大きいと思います。
G&KeyのBob Mayorはどちらのパートでもバッキング、ソロともにセンス良く、「歌伴ミュージシャン」の手本のような演奏を披露しています。リズム隊も時に軽快に、時に重量感ある多彩なアプローチでメリハリを見事に出しています。
ジャケットにもあるトリプルハムバッキングのレスポールは、彼のトレードマークになりました。(3つのマイクをどう使い分けているのか、違いはあまりわかりませんが)
観客の鳴らしたクラッカーの音や、チューニング音が入っていたり、昨今のライブにはない、ほのぼのとした味わいが聴く者をほっとさせますが、歴史的名盤の1枚であることに間違いありません。
フランプトン・カムズ・アライヴ! 35周年記念~完全再現ライヴ・アンド・モア【Blu-ray/日本語字幕付】
「フランプトン・カムズ・アライヴ!」発売35周年を記念して行われたツアー「FCA!35」は、2012年6月にNJ州でスタートしました。10月まで北米をまわり、欧州ツアーのあと、再び2012年春と8月に北米で行われました。本作品は2012年2月に収録されたもの。公演はアルバム再現の第一部(曲1から曲14)、近年とハンブル・パイ時代等の新旧マテリアルをミックスして構成される第二部(曲15から曲26)からなります。僕は第一部見たさで買ったのですが、最近の彼を知らない自分でも第二部は充分楽しめるものでした。
他のオリジナル・メンバーは、Bのスタンリー・シェルドンのみ。ボブ・メイヨー(Key、G)とジョン・サイオモス(Ds)はともに2004年に亡くなっていたからです。知りませんでした、“若くして”と思うと、とても寂しいです。合掌。
ピーターは声が良く出ていて、1「Somethin’s Happning」のVoを聴きながらタイムスリップしたような感覚になりました、ウレシクてたまりません。Gの腕前は(当然かもしれませんが)格段に上がり、パッセージはより早く、ワザの引き出しも随分増えました。長いソロ、結構多いのですが、手クセで弾いているような冗長な部分はほとんどなく、熱くかつハードに聞かせます。スタンリーは第一部では昔通りフレットレスBを、あまり目立たないけれど、随所で耳をひくフレーズをかましてくれます。今回、5人編成ですが、あとの3人のメンバーも芸達者ぞろい。11「(I'll Give You)Money」のギター・バトルは見事なもの、14「Do You Feel Like I Do」のエレPソロはスティーリー・ダンを思わせるセンスとハートの熱いプレイに圧倒されます。彼らは歌もうまく、コーラスワークの精度が歌の出来を握る10「(I Wanna)Go to The Sun」はじめ、見事なハーモニーを聞かせます。Dsもとてもよい音をたたき出します。
第二部を聴くと、第一部(全盛期)の頃のピーターの音楽がいかにきらびやかだったか、良くわかります。暗いとか地味、というのでなく、表現するもの(時代)が違う、ということでしょう。15「Asleep at The Wheel」16「Restraint」にどこかグランジ的な音色・タッチを感じていたら、23「Black Hole Sun」はサウンド・ガーデンのカバー。22「I Don’t Need No Doctor」等数曲あるハンブル・パイの楽曲と混じってもお互いに違和感がなくどちらも今の音楽のように自然に聞こえてくるんですね、これが。一方でインスト曲はやわらかでナチュラルな肌触りだし。これらを一つのステージに仕上げていく、このあたり率直にスゴイなあと思います。
ピーターと、その代名詞ともいうべき3マイクのレスポールとの不思議な縁を描いたミニドキュメンタリーも(特にギター好きには)楽しめます。
迷っているなら、絶対買うべき、それも字幕があって、ピーターの歩みがよくわかるライナーがついている日本版をオススメします。