ドビュッシー:前奏曲集(2)
最近チッコリーニが元気です。
それはお気に入りのピアノに出会ってからでしょうか。
ファッツォーリという銘器に。
まるで琥珀のような輝き。(スタインウェイが水晶かな)
ここではドビュッシーの『前奏曲集第2巻』全曲と、
ショパンの『ピアノソナタ 第3番 ロ短調 OP.58』を聴くことができます。
ファッツォーリを聴きたければ(知りたければ)チッコリーニを、
チッコリーニを聴きたければファッツォーリを。
2005年秋の来日が楽しみですね。
CHOPIN (ショパン) 2008年 06月号 [雑誌]
「20世紀の大ピアニストたち」シリーズ第4回に登場するのは、1970年に46才で急死した、鬼才とも呼ばれるサンソン・フランソワです。私もピアノをたしなみますが、中学2年でベートーヴェンの3大ピアノソナタの廉価版をたまたま購入したのがサンソン・フランソワとの出会いでした。それ以降、ショパン、ドビュッシー、ラベルの演奏は基本的にサンソン・フランソワのLP・CDを基本に購入するようになりました。ホロヴィッツのピアノの弦が切れるかのような演奏も良し、アルゲリッチの素晴らしく早いテンポと比類ないテクニックも良いのですが、コルトーに続くフランスの古きよき時代の最後を飾るのは、サンソン・フランソワをおいては他にありません。近年の正確なピアノテクニックを競う演奏ではなく、即興的なショパンのテンポルバート、聴く者を唖然とさせるエチュード、もう何も言葉のでないポロネーズ、自由闊達なショパンに対して、何故か非常にまじめに模範的な演奏を残しているドビュッシーとラヴェル、20世紀が生んだ4番目ではなく1番目のショパン演奏家だと私は思います。この雑誌が絶版になる前に、注文されることをお勧めします。フランソワの残した貴重な言葉も載せられています。サンソン・フランソワという演奏家の人間像に迫る特集です。
ベスト・オブ・サティ
このCDは「ジムノベティ」「グノシエンヌ」といった、サティを知っている方なら誰でもしっているピアノ曲で構成されています。
演奏はいい部類に入るでしょう。サティらしく、静かで、ユーモアに溢れています。
このお値段でこの内容ならOKでしょう。今までサティを聴いたことのない方も、だまされたと思って購入して聴いてみてください。素敵でふわふわしていて、どんなすさんだハートもいやされることでしょう。
Aldo Ciccolini: The Emi Recording 1950-1991 [CD, Box set]
EMIでの長年の録音を集大成した箱。内容の幾つかは既にセットに纏められているもの(ドビュッシーとかサティの新しい方の録音の集成とか)を流用しているが、このセットでしか聴けない内容もいくつか混じっている。本人曰く「幾つかのリストの曲を録音したのはシフラが録音しないと言ったからだ」そうで、確かにそれらの「詩的、宗教的な調べ」は素晴らしい内容です。サティについては、バルビエののような落ち着き払った演奏ではなく少々撥ねる演奏をしています。
チッコリーニの録音を幾つか聴いて、気に入ったものがある人でしたら、この箱を買って後悔するということはないでしょう。CD一枚が200円見当です。