耳なし芳一
怪談・・・・所謂、ホラーもののはず・・・・なんだけれど、なぜかあまり怖いとは感じない不思議なお話ですね。
琵琶の名手として名の通った盲目の「芳一」が、壇ノ浦の戦いで滅亡した平家の亡霊にとりつかれ、毎夜琵琶の演奏を強いられることになる。
このままでは芳一は遅かれ早かれ亡霊によって殺されてしまう!
芳一の身を案じる和尚さんが芳一の全身にびっしりと経文を書くことで、平家の亡霊から身を隠す作戦を実行する。
やってきた迎えの亡霊には全身に経文を書かれた芳一の姿は見えない。
諦めて去ろうとする亡霊だが、芳一の耳だけ経文を書き忘れていたために「耳」だけが見付かり、亡霊にむしりとられてしまうことに!
耳をちぎられても声を殺し続けた芳一の精神力たるや、凄まじいのひとこと!
その後・・・一命を取り止めた芳一は益々琵琶の腕をあげていったそうだ。
「平家滅亡の背景」を知らないと、そもそもこの「亡霊は何?」状態になってしまうと思われるため、ある程度の年齢を過ぎないと「やや理解にキツイ」か?
共用品という思想――デザインの標準化をめざして
「共用品」という耳慣れない言葉と、カバーのイラストが気に入り、購入しました。
誰もが暮らしやすくなるという、「共用品」という「思想」に、今まで気づきもしなかった視点をいただきました。
シャンプー容器のギザギザや、電化製品のスタート音など、体の不自由な方だけでなく、誰もが便利に暮らしやすくなるアイデアが、たまたま出来上がったのではなく、様々や考察を重ねながら、20年間も取り組んでいた人たちがいたと知り、頭が下がる思いです。
また、世界の中でも、日本が牽引役になっていると知り、うれしい思いがしました。
単に、「共用品」を拡げるという本ではなく、社会に対する見方を教えてくれる一冊です。
一人でもたくさんの人に読んでもらい、この想いが拡がることを願います。
ノルドグレン:小泉八雲の怪談によるバラード
館野泉さんはノルドグレンの理解者であり、ベストアーティストです。
ラフカディオ・ハーン(日本名:小泉八雲)の怪談を、
ピアノ曲にした、マニアックですがなかなか不気味な名曲です。
耳なし芳一・雪女~八雲 怪談傑作集 (新装版) (講談社青い鳥文庫 66-4)
耳だけお経を書き忘れて、耳だけなくなったという芳一の物語として記憶しています。
子供向けのものを小さいときに読んだだけなので、原作を読んだことがありません。
怪談には、なにかの人生訓が入っていると思うと、怖さが少し和らぎます。
怪談百物語 2 執念 [DVD]
「楢山節考」等で有名な「姥捨て」をおとぎ話風に描いたもの。随所にでてくる老人の生活の知恵や頓知が悲惨な話をユーモラスにカバーし最後の落ちまでしっかりとまとめてある。ユースケは貧農の役にぴったり。老母役の浅香光代は演技はすばらしいが、貧しい役なのに太りすぎで、おんぶのシーンは観ていてはらはらするのがご愛敬。でもおもしろい。もう一遍の「耳なし芳一」の方は芳一が実は平家の落ち武者で裏切り者というなるほどと思えるような新解釈を施してあり、脚本のできのよさには唸らされる。