「初恋のきた道/あの子を探して」オリジナル・サウンドトラック
初恋のきた道、あの子を探してがカップリングされてこの値段はお得感が高い。もともとスコア数が少ないので、2作併せて1枚で良いのかもしれない。曲は映画を観た方は、すでにご存じのように素朴で詩的な美しい旋律で、特に初恋がきた道の曲は心に残った。ファンの方は是非買いかと思う。
あの子を探して【字幕版】 [VHS]
おもしろかったのは、代用教員であるミンジがまるでやる気のない先生だというところです。ミンジは報奨金ゲットのために生徒の未来や将来も考えずに一途に行動する、そのしたたかさと自己チューのところが現代中国を象徴しているなーと思いました。そして、その表情がまた独特なのです。可愛くない、素直じゃない、目つきが悪い、能力がない、短気である、とまあ、さんざんないわれ方ですが、映画はこのミンジのキャラでなければおもしろくはならなかったはずです。タイトルからして、迷子探しの「お涙頂戴」モノかと思っていたので、この予想外の設定には思わず引き込まれました。そして、とうとう、ミンジのTV出演の場面には、ムググッときたのです。それもこれも、ミンジの要領悪すぎの3日間がミンジのこぼれる涙でカタルシスとなり、その涙に呼応する迷子のホエクーの表情がものすごかったからです。現代日本では絶滅したホエクー的少年は、まだ、中国にはいるのですね。寄付金まで手にして帰村するくだりにはやや戸惑いを覚えましたが、エンディングのチョーク一文字の場面は、非漢字文化圏(ヴェネチア)の人間にとっては神秘的な感動すらあったでしょうね。
あの子を探して [DVD]
実は私はこの作品はゼミの授業中に見ました。
なので一人で見たときの感想とは少し違うかもしれません。
内容は中国のすっごい農村で13〜4才の少女が
臨時教師として雇われる。最初はお金のためと
割り切って教師として働くが、生徒の中の一人が、
家庭の事情で出稼ぎに出なければいけなくなる。
賃金をもらうためには全生徒が正式の先生が
帰ってくるまで出席していることである。
そこで、彼女は行ったこともない大都会へ
一生徒を探す旅に出る。
最初は淡々としていてうぅ〜んという感じだったが
彼女の生徒への思いが変わり始めた頃
段々私の気持ちも変わって来ました。
授業なのに危うく泣くところでした。
普段見てる映画と違って恋や愛はないけれど
何か心に残る作品だと感じました。
あの子を探して [DVD]
きょうはこの映画をロードムービーとして楽しむことにしました。中国農村部の貧困だとか義務教育の重要性だとか、そうした社会背景を度外視して、13歳の女の子で代用教師である魏敏芝の 冒険活劇 だと思ってみていると、最近の張芸謀のエンタテインメント路線が決して罪作りとは思えなくなるので不思議です。邦題「あの子を探して」はこの路線を意識しての命名だったのかなぁ、とも思えてしまいます(正統派の見方ではないでしょうけど)。
でも原題は「一個都不能少」、英語タイトルも Not One Less 。一人欠けても完璧ではない、という意味でしょう。この映画は魏敏芝だけではなく、すべてのキャスト・スタッフの素晴らしさが光っています。映画って関わる人が一人でも欠けてしまうとダメなんですよね。魏敏芝の一途さが張芸謀のそれと重なって見えてくる気がします。
とにかく、いろんな角度で何度も何度も楽しめる映画だと思います。